ひつじさんぽ

30代夫婦のシドニー暮らし × 留学・英語 × ワイン

ワインと英語 好きなことを英語で学ぶ私のおすすめ『Wine Folly ワイン・フォリー』

f:id:Cozy28:20201209155838j:plain

 

一進一退の私の英語学習ですが、好きなことを英語で学ぶ楽しさを見つけています。

私はワインが大好きでこのブログでも完全自己満足なワイン日記を執筆中。オーストラリアで飲むワインは日本に輸出されていないことも多く、調べても英語のページしか出てこないことがよくあります。もちろん翻訳にかければ一発ですが、少しずつ読むことが苦でなくなってきたため勉強もかねてゆっくり読むようになりました。

そんな私の「ワイン×英語」の勉強に楽しみを添えてくれた「ワイン・フォリー」の素敵な本やYou Tubeを紹介したいと思います。

  • ワインの基礎的な知識がありさらに英語で学んでみたい人
  • 英語が得意でワインをイチから学んでみたい人

におすすめです。

英語ができてワインの知識もある人は、もっと専門的な洋書を読めちゃうはず。

 

Wine Follyって”ワインおたく”みたいな意味かな!

 

ワイン・フォリーとの出会い

オーストラリアに来て数か月後、仕事を始めるため面接にいきました。

履歴書にワインの資格を保持していると書いてしまったので、色々聞かれだろうと覚悟はしたのですが、ワインにすごく詳しかった面接官は様々な質問を投げかけてきて冷や汗。

それにどうにか答えられてしまった私は入社後「ワインのこと知ってる人」扱いをされてしまうのです。しかし肝心の英語が上手でないのでひどく焦りました。

少しばかりの知識はあっても、それを英語で伝える術がない私が本屋さんで選んだ本がこのWine Folly The Master Guideだったのです。

 

⇩日本で入手できる英語版はこちら。私の持っているのは一つ古いのかな…エンジ色の表紙。) 

 

ワイン・フォリー マスターガイドの良いところ

この本は、図鑑のようなイメージです。

醸造や栽培について深掘りしているというよりは、ワインを知るための基礎的なことがたくさんのイラストと共にきっちりみっちり書かれています。そしてもちろん、全部英語。もっと深掘りした専門用語だらけの専門書だったら、私の英語力ではまだ読めないと思います。

でもこの図鑑的な本は、単語の使い方を知ったり表現の仕方を学んだりするのにとても役立っています。また地図のイラストが見やすくてとても気に入っていて、オーストラリアのページは何度も開きました。

 

この本の著者マデリン・パケットさんは、複数のレストランでのソムリエ勤務を経て、2011年にパートナーであるジャスティン・ハマックさんとウェブサイト「Wine Folly」を立ち上げました。

なんと元はミュージシャン兼グラフィックデザイナーと多彩な方で、その経験を生かしてワインを分かりやすく伝える活動をしています。

 

winefolly.com

 

You Tubeチャンネルが勉強になる!

ワイン・フォリーのYou Tubeチャンネルがまた秀逸。

本やウェブサイトをベースに動画の作成をされていて、お店からワインを選ぶ方法といった基礎的なものから、同ブドウ品種で産地違いの飲み比べなど、初級者~上級者まで楽しめるコンテンツです。

 

マデリン・パケットさんの英語は比較的聞きやすく、自動生成の字幕をつければ心が折れることがありません。そしてポジティブで情熱的なティスティングコメントは真似したくなるほどカッコイイ!どの動画も10分以内なので、隙間時間に何度も見て楽しんでいます。

 

お気に入りはこの動画。


Cabernet vs Merlot - Stumped?!

 

プロでもカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの飲み比べは困難だよ、というほっこり安心感も得られる回です。

 

Twitterも面白い!

 

 

マデリンさんがフォロワーに向けて、

「あなたの好きなシャルドネは?」

「ワインにハマったきっかけを教えて!」

などの質問を投げかけるのですが、たまに大喜利みたいな答えがあって面白いです。

先日は「ソムリエがワインの知識以外に必要なスキルは?」の問いに「ワインの染み抜きができること。」と答えている人がいて笑いました。

世界のワインラバー達はどんなワインが好きなのか垣間見れるのも興味深いです。

 

このような感じで私はワイン・フォリーの本、ウェブサイト、YouTube、Twitterなどを用いて楽しく「英語×ワイン」に触れあっています。

 

ワイン好きな方、英語を勉強中の方、ぜひ見てみてください!

 

⇩本は日本語版もあります

 

⇩やっぱり英語版がおすすめ

 

 

『ethique エティーク』のシャンプーバーがあまりに素晴らしくて驚いた!

f:id:Cozy28:20201209114950j:plain

 

お風呂場のレスプラスチックを目標に、数か月前から様々なシャンプーバーを試しています。

ついに、シャンプーバーの先駆け的存在とも言える「エティーク」を使ってみました。使い心地、仕上がりは抜群に良く、シャンプーバーが初めての人におすすめしたいアイテムです。

エティークについて改めて調べて感動したことや、使い始めて一か月で少し気になっているシャンプーバーの減り具合などについてまとめてみました。

 

 

エティーク 8つのすごいところ

  1. プラスチックフリーな容器・配送梱包でコンポスト可能な紙使用
  2. 動物実験なし・ビーガンフレンドリー
  3. パームオイルフリー(パームオイルの問題点はこちら→パーム油が大問題に!環境への影響と私たちができること全て | ライフハッカー[日本版]
  4. フェアトレード(材料調達時の直接取引により、優れた製品に適正な価格を支払い)
  5. 健康に害を与えるリスクがなく、生分解性の原料を使用
  6. 年間利益の20%を環境保護、動物福祉、環境保護団体に寄付
  7. カーボンニュートラル製造・販売工程全体で見たときに、二酸化炭素の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になること)
  8. 製造時の節水(ボトル入り製品は70~95%が水分、プラボトルを作るのにも水が使用されている)

 

これらはエティークの公式ウェブサイトを読みあさってまとめた情報です。

エコやサスティナブルなどの勉強にもなる素敵なサイト。

ethiqueworld.com

 

当初はプラスチックフリーなところに魅かれて手に取ってみたシャンプーバーですが、利益の20%を環境保護や動物福祉のために寄付しているということ、カーボンニュートラルの一環で一つの注文につき一本植樹をしているということに深く共感しました。

先日家族のバケットリストを作成した際に夫が「動物保護(特にコアラ)に携わる」「植樹活動に携わる」とリストに加えていたので、その第一歩になれたようで嬉しいです。

(2020年5月27日の時点で8,759本以上の木を植え、57.15トンの二酸化炭素を相殺。目標は2020年末までに20万本の木を植えることだそうです。)

 

f:id:Cozy28:20201209112953p:plain

 

プラスチックフリーに関しても完璧です。外箱はもちろん、箱をとめるシール、配送用の箱や詰め物は全てコンポスト可能で数か月で土に還るそう。さらにそれらパッケージの紙は、持続可能な方法でニュージーランドの林業から原料を調達しているとのことです。

 

また、私がエコ生活を始めて感じた「この点はクリアしてるけど、こっちはどうなんだろう…」というような矛盾が全てクリアされているように思います。

(例えば、せっかくのエコ商品が海外から飛行機に乗って来るのはどうなのか⁉などなど。)

これを使ってさえいれば社会貢献できていると言っても過言ではないようなスーパーシャンプー。全部本当⁉と疑いたくなるくらい無敵なサスティナブル企業を、私は信じて応援して使いたいと思っています。

 

⇩シャンプーバーができるまでの逆再生動画、おもしろいです!


The journey of an Ethique bar

 

使い心地と仕上がり、気になるバーの減り具合

使い方はシンプル。

髪とシャンプーバーを濡らして髪の付け根から毛先に向けて3~4回スライド

指先で泡立て髪を洗う

十分にすすいだあとコンディショナーも同じ要領

 


Ethique: How to use a solid shampoo bar

 

仕上がりは液体のシャンプー&コンディショナーと遜色ありません。シャンプー後に流した時は少しきしみを感じますが、コンディショナーをつけるとスルスル。乾かした後も指通り良くつるりとしています。

私は固形石鹸で髪を洗っちゃうタイプなので少しくらい指通りが悪かろうと気にしないのですが、シリコン使用なしでこのサラサラ具合は驚きました。

シリコンの代わりにココナッツオイルカカオバターを使用しているそうです。

(※次の成分も使用なし…ワセリン、パーム油、合成着色料、合成香料、パラベン、ラウリル硫酸Na、動物由来の成分、アンモニア、コカミドプロピルベタイン、ジメチコン、シクロメチコン、イソチアゾリン、メチルクロロイソチアゾリン、鉱物油、ポリエチレングリコール)

 

 

泡立ち良し、香り良し、文句なし!と思っていたのですが、どうやら私、シャンプーを擦り付けすぎていたようで減りが早いのです。Twitterのお友達に聞いてみたところ、皆さん1つで3か月ほど使えそうとのことでしたが、私はこのままでは1か月半程で使い切ってしまいそう。

泡モッコモコにしようとたくさん使い過ぎていたので、これからは3~4回のスライドで泡の量よりも地肌を丁寧に洗うように心がけます。

最初はバーがあまりに小さいのでコスパが悪かったら困るなとも思っていました。でも、私が買ったシャンプーバーで寄付が行われ植樹が行われるのならコスパは二の次でもいいかも、というようなポジティブな気持ちにもなっています。

 

ちなみにコンディショナーはまだまだ大きいまま。シャンプーバーよりもさらに小さなブロック一つでなんと1.7リットル分だというし、数回髪に通すだけで本当にサラサラになるので、半年はもつのではないかと思っています。

 

⇩使う前、使い始めて一か月後の写真はこちら。

f:id:Cozy28:20201209114252j:plain

 

もう少しシャンプーバーのペース配分を守ります。

専用ケースは、竹、コーンスターチで造られていてコンポスト可能。

 

シャンプー・コンディショナー共に、髪の悩みに合わせて数種の中から選べます。

ノーマルヘア、敏感肌・ボリューム・ダメージケア・パーマ用と、日本の公式サイトにはおすすめの組み合わせが提案されています。⇒ethique | ethicame - エシカミー -

 

エティークを愛用しているお友達のブログと購入できるお店をご紹介

Twitterで出会ったエコ生活を取り入れているお友達のブログ

それぞれの目線でシャンプーバー「エティーク」について綴っています。

 

⇩蜜蝋ラップの手造りもできちゃう器用なおりさん

www.orimemo.com

 

⇩お洋服やアクセサリーをリペアで蘇らせるセンス抜群なさわ田さん

officeanryu.com

 

いつも様々なエコ情報を教えてくださりありがとうございます!

 

オーストラリアでエティークが買えるところ

エティーク公式ウェブサイト他、Mr VitaminsやPricelineでも見かけました。

もちろんAmazonでも。私は初めての購入は、おりさんに教えていただいたFlora & Faunaというお店で注文しました。

 

日本でエティークが買えるところ

正規輸入元(公式サイト)はethicameというこちらのお店。

ethicame.com

 

コスメキッチンや東急ハンズにも置いているようです。

(自分の目で確認できていないので来店前にお確かめください。)

 

また、各種通販サイトでも販売されていますが、せっかくのプラフリー商品なので注文の際には簡易包装・プラなし包装をお願いするなど、ひと工夫が必要かなとも思います。 

 

たくさんの地球に良いことをしているエティークに出会い、たとえ個人の小さな力だとしてもコツコツとエコ活動をしていこう!と前向きな気持ちになりました。

 

⇩他のシャンプーバーも使ってみています。良かったら読んでください!

hitsuji-cozy.hatenablog.com

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

 

簡単に作れる夏のカクテル『アペロール・スプリッツ』をおうちで飲もう!

f:id:Cozy28:20201204233056j:plain

 

アペロール・スプリッツというカクテルをおうちで作って飲んでいます。

アペロール、スパークリングワイン(プロセッコ)、ソーダとオレンジスライスで作るイタリア発のカクテルです。ほどよく甘く、少しほろ苦く、色鮮やかなオレンジ色はランチタイムや夕暮れ時の食前酒にぴったり。

オーストラリアに暮らすまで飲んだことがありませんでしたが、ここでは街じゅうのレストランやバーで目にするほど人気があります。

そして酒屋さんでも山積みです。

 

f:id:Cozy28:20201204231126p:plain

 

アペロールとは?カンパリとの違いは?

まずアペロールとはどんなリキュールなのかというと、有名な「カンパリ」にすごく似ています。カンパリよりも甘くハーブの苦みは控えめ。アルコールも低く軽やかで断然飲みやすいです。

 

公式サイトやウィキペディアを見て比べてみました。

カンパリは、イタリアのミラノでバーテンダーをしていたガスパーレ・カンパーリが開発。1860年の誕生から現在まで変わることのないレシピは、ごく一部の製造責任者のみが受け継ぐことができるそうです。

原材料は、水・アルコール以外秘密。魅惑の赤いリキュールは、アルコール度数25%

 

一方アペロールは、イタリアのヴェネト州のにあるバルビエリ社が製造し1919年に誕生。父親から会社を引き継いだルイジとシルヴィオという兄弟が7年もの歳月をかけて開発したそうです。

1950年代には、カクテル「アペロール・スプリッツ」のレシピが完成。2000年代にはカンパリグループによる買収をきっかけに、アペロール・スプリッツを前面に押し出した販促を実施し、全世界で大成功を収めました。アペロールというネーミングは、イタリア語で食前酒を意味する「アペリティーボ」に由来。

原材料は、ハーブ類と根茎類ということ以外は秘密です。明るいオレンジのリキュール、アルコール度数は11%

 

f:id:Cozy28:20201204232550j:plain

 

私は昔からハーブ系のリキュールが好きです。

女子大生の頃初めてカンパリに出会った時、毒々しいほど綺麗な赤色のお酒が強烈な苦さを持っていたことに面喰ってしばらくとりこになり、夜遊びの度にカンパリのカクテルを注文して気取っていましたね。

十数年後シドニーでアペロールに出会った私は、ひとり手酌&目分量でお酒を混ぜ、立ったままグラスをあおるほどに逞しくなりました。

 

この度ブログを書くにあたり正式なレシピを見てきちんと計量し、アペロール・スプリッツを作ってみました。ただし、メジャーカップもマドラーもないので計量カップとスプーンを使ったということを最初に断っておきます。世のバーテンダーの皆様、この愚行をお許しください。

 

国によって違うアペロール・スプリッツの公式レシピ

f:id:Cozy28:20201204230636p:plain

 

アペロールの公式サイトに進むと、左上から国名が選択できるようになっています。

何の気なしに日本とオーストラリアのレシピを見てみたら、分量が全然違いました。

 

日本

まずグラスに氷を満たし、1:1の割合でプロセッコ(辛口スパークリングワイン)、アペロールを順番に注ぎ、スライスしたオレンジを飾ります。 お好みでソーダを少量入れてお楽しみください。この順番で注ぐことによりアペロールは底に沈みません。

引用:アペロールスプリッツの飲み方 | Aperol

 

オーストラリア

Pour 60ml Aperol, 90ml Prosecco and 30ml of Soda Water to a large wine glass. Fill the wine glass to the top with ice. Garnish with an orange wedge.

引用:Aperol Spritz Ritual | Aperol

 

ちなみに本国イタリアのレシピは翻訳をかけても上手く訳されず…。

アペロール2:プロセッコ3、ソーダでフィルアップみたいなことが書かれているのですが、明確に「PROSECCO D.O.C. 」と書かれていたのが本物感がありました。

 

日本レシピのアペロール1:プロセッコ1と、オーストラリアやイタリアレシピの2:3で飲み比べてみました。

 

写真をあげるのも恥ずかしい素人クオリティですが大目に見てください。

(左が日本レシピ、右がオーストラリアレシピ)

f:id:Cozy28:20201204231236p:plain

 

日本レシピはかなり甘い!

アペロール1:プロセッコ1だったので各100mlずつ入れたのですが、少量のソーダではとても甘く感じ、グラスを大きくしソーダを多めに入れました。

オーストラリアレシピのアペロール60ml+プロセッコ90mlは、パブやカフェで飲み慣れたちょうどいい味。

私の好みはアペロール2:プロセッコ3:ソーダ1の作り方で、オーストラリアレシピに軍配が上がりました。

 

プロセッコはオーストラリア産のこちらを使いました。

f:id:Cozy28:20201204231746j:plain

 

200mlのミニボトルなので、2杯分のアペロール・スプリッツにちょうどよい使い切りサイズ。生産者のデ ボルトリもカクテル用にもおすすめしています。もちろんそのまま飲んでも美味しいので、常備ワインにおすすめです。

 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

飲み終わったあとのオレンジは、炭酸を吸ってシュワシュワして美味しいのでいつも食べます。

 

 

まとめ

人件費が高いからだと思うのですが、パブやバーでカクテルを飲むとすごく高いオーストラリア。シンプルな材料でおうちで気軽に作れるアペロール・スプリッツなので、ぜひ試してみてください。

私はこれを機にもっときれいなカクテルが作れるように練習します。

 

3 PROSECCO! 2 APEROL!! 1 SODA!!! が合言葉♪

 

アペロールが沈まないようにプロセッコを最初に入れること!

 

デ ボルトリ プロセッコ *ミニボトルスパークリングワインの楽しさ【ワイン日記】

f:id:Cozy28:20201130203543j:plain

 

11月最後の週末、シドニーは40度超えの熱波に襲われました。

スーパーマーケットで体温を下げてくれそうな野菜や果物を購入後、身体の内から湧き出るスパークリングワイン欲を満たすためにワインショップへ。

今年何度目かのお気に入りミニボトルプロセッコを禁断のパック買いしてしまいました。

よく冷房の効いたワインショップで、この4本ケースをルンルンと運ぶ時の高揚感だけで夏バテが少し改善されます。

 

f:id:Cozy28:20201130202855j:plain

 

De Bortoli Prosecco

www.debortoli.com.au

 

このスパークリングワインの生産者は、オーストラリア巨大ワインメーカーのひとつ、デ ボルトリ。

ヴィクトリア州を中心になんと60種ものワインを製造しています。

ここのロゼは私のお気に入りですし、ラインナップを見ていると、あら!あなたもここの出身だったのね、というワインがちらほら。

ハズレなし、定番品、そんな感覚でスイスイと飲めるタイプが多いかなと思います。高級ラインは飲んだことないので参考までに。

3代に渡る家族経営で、北イタリアから移民としてやって来た先代が始めたワイナリー。 

デ ボルトリについてはこちらの甘口ワインを飲んだ時に生い立ちをまとめました。

 

www.hitsujisampo.com

 

ワインの産地キングヴァレーは、Australia's home of Italian wine stylesとしてイタリア系品種がたくさん育てられている場所です。

特にサンジョヴェーゼとプロセッコがこの産地のフラッグシップ品種。

質の向上のためサンジョベーゼ・プロジェクトという研究を行ったり、プロセッコ・ロードと称しキングヴァレーのプロセッコを通じての様々な体験を提供したり、あぁ…とりあえず行ってみたい!と見だしたら止まらないウェブサイトはこちらです。

 

www.winesofthekingvalley.com.au

 

飲んでみた印象は、実にシンプルでした。

フレッシュ&フルーティーな、イージードリンクスタイル。

口いっぱいに広がるりんご果汁のようなみずみずしさと、ライムのようなほろ苦さ、とにかく果実感にあふれたワイン。

フタをひねって瓶のままゴクリと飲むとなぜか少し人工的な味わいを感じ、ファストフードならぬファストワインと名付けたくなるような背徳感がまた好きです。

少し甘いと感じる人もいるであろうこの味わいは、ほんのグラス2杯弱のこのサイズ感がちょうどいいようにも思います。残糖分は16g/ℓでした。

シャルマ方式という大きなタンクで造られた泡は「ビーズと呼ばれるほどきめ細やか」という説明もありますが、わりと元気いっぱいなので持続性はあまり期待できないかもしれません。

翌日に惰性で飲むスパークリングワインが好きでない私にはこのミニボトルは嬉しいです。

フルボトルが18ドルなのでミニボトルの6ドルは少し割高だけれど、使い勝手はとても良いはず。

少しだけでも飲まずにいられない時の200ml一本勝負。

ランチタイムやおやつタイムに。

お風呂上がりに腰に手を当てて飲む用に。

本格的に一本開ける前のアペリティフに。

夏の間は無くなったら買い足して冷蔵庫にストックするだろうなぁと思います。

 

f:id:Cozy28:20201130202938j:plain

シャンパングラスのない我が家は昨年のフレンチマーケットでもらったアウトドア用グラスで飲んじゃいます。

 

話が少し逸れますが、数年前百貨店のお酒売場で働いていた時、毎年お歳暮の時期にシャンパーニュのミニボトルを1ケース(24本)注文される紳士がいらっしゃました。

シャンパーニュ好きな先方に贈る品で、届いたケースにそのまま熨斗を付けて発送してほしいとの指示。

梱包作業をしながらなんて粋なことをするのだろうと感心し、いつかどこかで真似したい、もしくは誰か私に贈ってと思っていました。

開けたてのシャンパーニュ×24日間は私の夢。

今回はシャンパーニュではないけれどそんな出来事を思い出しながらこのプロセッコを飲み、いつでも開けたての爽快感を得られるこのミニボトルはやっぱり賢い、と改めて思いました。

 

このプロセッコ、ソーダと混ぜてアペリティフにもバッチリだとのこと。

4本パック2本目のボトルは、夏の訪れと同時に我が家の冷蔵庫に仲間入りしたアペロールを使ってカクテルを作ります。

 

 ⇩デ ボルトリのロゼもおいしいよ!

www.hitsujisampo.com

 

 

オーストラリアのワイナリーでグランピング!ニューサウスウェールズ『オレンジ』へのワイン旅【宿泊編】

f:id:Cozy28:20201126130145j:plain

 

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のオレンジへ、2泊3日のワイン旅に行きました。

宿泊先は、旅中に9軒のワイナリー訪問したうちの一つナッシュデール・レーンのグランピングキャビンです。必ずまた行きたい!と思うような素晴らしい滞在だったので、たくさんの写真と共に記録しておこうと思います。

 

nashdalelane.com

 

 

f:id:Cozy28:20201126122051j:plain

 

グランピングキャビンはオレンジ駅から車で15分ほど、ナッシュデール・レーンのセラードアすぐ横にあります。広い敷地内にたった2棟だけ建つキャビンは、プライベート感もばっちり。

ワイナリーオーナーでもあるタンヤさん&ニックさんというご夫婦がairbnbで運営をしています。チェックイン日にはタンヤさんが牛乳を届けながら様子を見に来てくれました。明るくシャキシャキとした素敵な女性です。

 

f:id:Cozy28:20201126122134j:plain

 

目の前はピノ・グリ、横はシラーズとブドウ畑に囲まれています。そしてもう一歩先はたくさんの羊が暮らす草原です。

緑の丘が果てしなく続き地平線が視界いっぱいに広がる景色を見て、夫は「赤い飛行艇が飛んできそう!」と興奮していました。海ないけどな!

 

f:id:Cozy28:20201126122221j:plain

 

キャビンの造りはかなり頑丈で高級なテントという感じ。室内にいても周囲の自然の音がよく聞こえます。鳥や羊の鳴き声、周りの草木がテントに当たる音、ゴーゴーと吹く風の音。

私は今までテントに泊まった経験がなく、夜寝る時に外をすぐ近くに感じて不思議な気分でした。

 

f:id:Cozy28:20201126122415j:plain

 

テントとはいえ、ベットはフカフカ、シャワー・トイレ完備、キッチンにも大抵のものが揃っていて快適です。

朝食用にコーヒー・紅茶とシリアル・ミルクも用意されています。

 

f:id:Cozy28:20201126122457j:plain

 

しかし気候によっては虫が入ってしまう、水が豊富でないためいつも以上に水の使い方に注意しなければいけない、テレビもWi-Fiもないというような不便な点もあります。

でもそんな不便すら楽しめるような、ここでしか味わえない体験がたくさんできました。

 

f:id:Cozy28:20201126122747j:plain

 

夜ごはんはサンセットとブドウ畑を眺めながら、ベランダでバーベキュー。

見るテレビも出かける所もないので、ワイン片手に好きなものを焼きゆっくりとディナータイムを楽しみました。

ハリスファームで奮発して買ったwagyuも美味しかったですが、焼きとうもろこし、じゃがバター、焼き芋、焼き椎茸が最高です。醤油は家から持参。

 

f:id:Cozy28:20201126122824j:plain

 

お湯が出なくなったらどうしようと心配してお風呂はかなり素早く済ませ、夜は暖かく着込んで星空鑑賞。息をのむほど美しい星空を見て、星ってこんなにあったのかと馬鹿なことを思いました。

まさに星が落ちてきそうで手が届きそう。私の語彙力では到底伝えきれないほど美しかったです。

 

f:id:Cozy28:20201126122906j:plain

 

翌朝は普段夜型な私も喜んで早起きをし、部屋着のまま外へ飛び出して羊にご挨拶に行きました。そのままコーヒーを入れてパンを焼いて外で朝食。

時々目の前を野ウサギが駆けていきます。なんて美しい一日の始まりでしょう。そしてその一日がワイン尽くしですからたまりません。

 

f:id:Cozy28:20201126123219j:plain

 

手付かずの大自然の中に滞在できるグランピング、どんな高級ホテルに泊まるよりも強く心に残るんじゃないかと思っています。

時間とお金が許すなら一週間くらい滞在し、このキャビンで昼寝と散歩と読書を繰り返す一日を過ごしたいです。

 

f:id:Cozy28:20201126122546j:plain

 

オレンジ旅行の際には心からおすすめしたい宿です!

 

オレンジ・ワイン旅の予習編はこちら⇩

hitsuji-cozy.hatenablog.com

9軒のワイナリー訪問記はこちら⇩

hitsuji-cozy.hatenablog.com

hitsuji-cozy.hatenablog.com

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

 

 

ニューサウスウェールズ『オレンジ』へのワイン旅 PRINTHIE / HIGHLAND HERITAGE / PHILIP SHAW【ワイナリー訪問記③】

f:id:Cozy28:20201125213300j:plain

 

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のオレンジへ、2泊3日でワイナリーを9軒回るワイン旅。

ワイナリー訪問記三部作も最終話に入ります。

 

第一話、第二話はこちらです。

hitsuji-cozy.hatenablog.com

hitsuji-cozy.hatenablog.com 

ランチタイムを逃し、車でスナックをつまみながらワイナリーを回っていた2日目の夕方、素晴らしいスパークリングワインに辿り着くことができました。

 

 

PRINTHIE

printhiewines.com.au

 

f:id:Cozy28:20201125204718j:plain

 

オレンジ旅行計画当初から、必ず訪れたいと私たちの中でかなり優先順位が高かったワイナリー。多種類のスパークリングワインを造るプリンシーです。

私の乏しい豪泡経験は、タスマニアのスパークリングは美味い!オーストラリアのプロセッコは安くてガブガブ飲めて最高!困ったときのシャンドン!くらいのものなので何とも参考にし難いですが、まだまだニッチな産地でこんなに完成された味わいが飲めるんだ…と驚きを隠せませんでした。

 

プリンシーも家族経営のワイナリーです。ひとつ前に行ったデ・サリスと同じように、1996年にご夫婦で造ったワイナリーに二人の息子さんが加わって運営をしています。

この日案内をしてくださったのは、弟のデイブさん。オレンジのワイナリーの方々はとても人当たりの良い方が多く、このデイブさんも一人でセラードアを切り盛りしていそがしそうなのにも関わらず終始丁寧で優しいのです。

オレンジ旅行前は日本人だから差別されたりするかな、と少し不安に思っていました。

 

f:id:Cozy28:20201125204800j:plain

 

私たちはここではスパークリングワインに専念しようと、泡のみ5種類のテイスティングコースを選択。スタンダードキュヴェ、ロゼ、ブラン・ド・ノワール2016、ヴィンテージ2012、ブラン・ド・ブラン2010、とシャンパーニュの試飲会にでも来たかような豪華仕様でした。

スタンダードキュヴェとロゼは爽やかに飲めるものの、やはり今まで飲んできたオーストラリアのスパークリングワインとは全く違います。リッチな蜜っぽさ、クリスピーで香ばしい印象、ながーく続く余韻。

10年経過のブラン・ド・ブランは今もなおフレッシュさを残し、泡は柔らかでとても心地よいのです。まさかヴィンテージスパークリングが飲めるなんて、オレンジは本当に何でもあり全てがハイクオリティな産地。

 

f:id:Cozy28:20201125205039j:plain

 

プリンシーのワインは、大切な人とゆっくり飲みたい、大事なあの人へのプレゼントにしたい、そんな風に思えるような丹念な味わいでした。

私たちは特に心に残ったブラン・ド・ノワールを購入。ほどよい熟成感とふくよかさがあり、「今が私好みの飲み頃!」と感じたので近いうちに開けたいと思います。

 

f:id:Cozy28:20201125205009j:plain

 

HIGHLAND HERITAGE

www.highlandheritage.com.au

 

f:id:Cozy28:20201125205555j:plain

 

最終日はのんびりとブドウ畑の朝を過ごした後、約束の10時に5分遅れでここハイランド・ヘリテージに着きました。綺麗に整備された公園のような園内を車で進むとセラードアに到着。

遅れてすみませんな感じで向かうのですが、入口も開いてなければ人もいないのです。入口を間違えたのかと裏に回ると鍵があいていたので「Hello!」と叫ぶこと数回。「あら早いね、どこから入ってきたの?」とお姉さんが出てきてくれました。まだ準備ができてないからとさらに待つこと数分後に試飲カウンターへ着席しました。

ここは唯一オンライン予約システムがなく、メールを送って予約をしたセラードア。他セラードアは細かに時間が決められている中どうしたらいいかと少々悩み「この日時に訪ねることは可能でしょうか?」と送った返信がたった一文、「Hi, 〇〇! See you on Tuesday at 10 am!」だったフレキシビリティ抜群なワイナリーです。

 

f:id:Cozy28:20201125205732j:plain

 

ハイランド・ヘリテージの創設者は1946年にブリキ小屋で小さなワイナリーを始めたオレンジで最初のワインメーカー。現在は4代目まで受け継がれ、多種多様なワインを造っています。

ここに来たかった理由はデザートワインが充実しているワイナリーだったことです。でも実際行ってみるとデザートワインももちろんですが、辛口ワイン、特に赤ワインの奥深さとエレガントさが素晴らしかったです。

普段は専らピノ・ノワールやグルナッシュなど軽めの赤ばかりを好む私が、常に候補から一番遠いところにあるカベルネ・ソーヴィニヨン100%を選んだのがその証拠です。そして、4代目ニッキさんの名を冠したオフドライ・リースリング、極甘口のセミヨンと合わせて3本お持ち帰り。

この旅行中常にワインが体内に充満して良い気分だった私は、もう欲しいものを我慢することはなくなっていました。

 

f:id:Cozy28:20201125205630j:plain

 

ここのセラードアのお姉さん、テイスティングを進めるのがとてもお上手です。飲むと必ず感想を聞かれ、好みに合わせて導いてくれます。あわよくば全部試したい私は「なんでも来い!」と思ってましたが、こうしてじっくり探るように飲んでみるのもとても勉強になりました。

ワイナリーの訪問中に「私白しか飲まないの!」とか「私これはいらない!」などと好みをはっきりしているお客さんも何度か目にし、これもありなんだなぁと純日本人の私は思ったのでした。

 

f:id:Cozy28:20201125205812j:plain

 

PHILIP SHAW

www.philipshaw.com.au

 

f:id:Cozy28:20201125205908j:plain

 

ワイン旅最後のワイナリーは、フィリップ・ショー。ここはオレンジ内で知名度、規模共にナンバーワンだと思います。シドニーのワインショップでもよく目にしていました。

センス良く造り込まれ、ディナーイベントやウエディングもできる大きなセラードア。すぐ隣に大きな醸造施設もあります。真っ青な空を眺めながらテラスでテイスティングを始めました。

実はここでのお目当てはヴィオニエだったのですが、残念ながら売り切れ。新ヴィンテージがリリースされたらすぐさま購入しようと目を光らせています。

 

f:id:Cozy28:20201125210210j:plain

 

ここのワイン、何もかもが文句なしに美味しいです。クリーンで、美しく整っていて、ほどよく高級感があり、みんなをハッピーにするワイン。

そしてオレンジの他のワイナリーと決定的に違ったところが価格です。フィリップ・ショーは一番低価格のワインが24ドルで、他よりも5~10ドル安いのです。誰しもの心を掴むさくらんぼ系のチャーミングなピノ・ノワールもコスパ抜群の24ドルでもちろんお買い上げ。

過去8軒でたくさんのこだわりや信念を見聞きして味わいにも感動し、その価格に異議は一切ありませんが、この産地を活気づけていくのにフィリップ・ショーのようなワイナリーが大変大きな貢献をしているのだろうと思いました。

 

f:id:Cozy28:20201125210503j:plain

 

テイスティング後は9軒のワイナリーを振り返り、夫と二人あれこれ意見を交わしながら広い庭園を散歩。最後はゆっくり美味しいランチをしようと市内に車を走らせました。

 

お天気にも恵まれた今回のワイン旅、行く先々で個性あふれるワインに巡り合いたくさんの人の温かさに触れ、忘れることのできない大切な思い出となりました。

オレンジのみなさん、本当にありがとうごさいました。

 

f:id:Cozy28:20201125210408j:plain

 

編集後記

世界中に星の数ほどあるワイン産地を考えた時、この小さな産地の強みはなんだろうと考えました。なんか偉そうですみません。

世界の人々がオーストラリアワインに何を求めているのかは分からないけれど、オレンジでワインを造る方々はオーストラリアの他の産地にはない優しさ・軽やかさ・上品さに誇りをもっていました。

例えばフランスワインは日本でもいくらでも飲める中、フランスワインを意識したオーストラリア・オレンジのワインが日本まで届くのはまだまだ時間がかかるかもしれません。でもオレンジのワインはオーストラリアのワインラバー、特にワインに繊細さ・エレガントさを求める人を確実に癒してくれます。

たくさんの産地を巡ったわけではないけれど、私はこのオレンジという産地に潜在性や持続性を感じました。そして必ずしもこの産地が世界的に有名になることがゴールでもないような気もしつつ、もっと多くの人に知ってもらえたらと一ファンとして応援しています。

世界中にオレンジのような産地がたくさんあるのだろうと想像すると、私はまだまだワインを知らないんだな、と恐縮します。そして同時に、その分この先飲みたいもの行きたいところが無限にあって楽しみだな~なんて呑気なことも考えながら、今日も美味しくワインをいただきました。

 

f:id:Cozy28:20201125211414j:plain

 

次のワイン旅はどこかな~!

 

旅の予習編はこちら⇩ 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

グランピングの様子はこちら⇩   

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

 

 

ニューサウスウェールズ『オレンジ』へのワイン旅 ROSS HILL / COLMAR / DE SALIS【ワイナリー訪問記②】

f:id:Cozy28:20201123101122j:plain

 

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のオレンジへ、2泊3日でワイナリーを9軒回るワイン旅。

 

最初の3軒の記事はこちらです。 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

「メェ~」という羊の鳴き声で目覚めた私たちは、ナッシュデール・レーンのブドウ畑を眺めながら朝ごはんを食べ、2日目のこの日もワイナリー巡りへと出発しました。

 

 

ROSS HILL

www.rosshillwines.com.au

 

f:id:Cozy28:20201123094458j:plain

 

ここロス・ヒルは今回のワイン旅で唯一醸造所見学ができたところです。オーナーのジェームズさん自ら案内をしてくださいました。オレンジの中でも比較的大きなワイナリーで、シドニーのレストランのハウスワインを醸造していたりもするそうです。

また、環境に配慮してワイン造りを行っており、NCOS認定のカーボンニュートラルワイナリーとしてオーストラリア政府に登録されています。というようなことを英語で説明してくれたのですが、全部理解しているとは言い難かったため調べていたらこちらの記事を発見しました。

豪州で唯一の、炭素中立(カーボンニュートラル)醸造所 - ピーター・ロブソン × ロス・ヒル・ワインズ(Ross Hill Wines)

この記事の中に、とんでもないパワーワードを発見。

ロス・ヒルのワインを飲んでいる時、あなたは環境のために細やかな行動をしている事にもなる。それはまるで、世間の汚れをワインで洗い流しているかのような、特別な気分にさせてくれる。

 

世間の汚れを洗い流すためにロス・ヒルのワインをもっと飲もう、と誓いました。

 

30分ほどの醸造所ツアーでは、白ワイン・赤ワインの造り方の説明、樽の貯蔵庫見学などがありました。一番興味深かったのが、瓶詰屋さんがトラックを醸造所内に乗り入れてワインのボトリングをしていたところです。

ちょうど10時のおやつタイムだったのでしょう。スイカのスライスやマフィンを頬張りながら、慣れた手つきで作業をしていました。作業中のお兄さんが、オーディエンスが増えた途端にボトルを片手でくるくる回してかっこつけているところ、私は見逃しませんでしたよ。

かっこつけているというか、かっこよかったです。この瓶詰屋さんVintage Bottlingはボトリングのプロ。世の中にはいろんな仕事があるんだよな、と妙に納得しました。

 

f:id:Cozy28:20201123094542j:plain

 

醸造所見学のあとは、テラス席でのテイスティング。家族経営ワイナリーなので、やはりファミリーメンバーの名を冠したワインがたくさんありました。

10種の試飲の中で一番お気に入りだったのが、Family Tempranilloというワインです。テイスティングルームのお姉さんは「この香りは私にとってまさにクリスマスフレーバーなの!」と言いながらワインを注いでくれました。赤い実のフルーツやスパイス感が、クリスマスプディングを思い起こさせるのだそうです。

お姉さんは「サマーレッドワインとしてグッドよ!」とも言っていました。そうです、ここはオーストラリア。まもなく真夏のクリスマスがやってきます。

ほんのりスパイシーでチャーミングなファミリー・テンプラニーリョは、まさに家族で食卓を囲み皆でワイワイ飲むのにぴったり。ワインの色もルビーとかガーネット、と言うよりも「クリスマスの赤!」という表現がぴったりな感じの明るい色合いでした。

私たちも、真夏のクリスマスに少し冷やして飲んでみたい!と思い購入しました。

 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

f:id:Cozy28:20201123094618j:plain

 

そんな感じでごきげんにワインを飲んでいたら、先ほど醸造所を案内してくれたジェームズさんが「君たち日本人だよね?」とテーブルに来てくれました。そこでジェームズさんは、ワインの話をするでもなく日本のビールが世界一美味しいと語り始めました。

日本に旅行した時、毎晩とてつもない量のビールを飲んだんだとか。もちろん日本のワインも飲んだけど、ワインはどうしても仕事の頭になってしまうから、ひたすら美味しく楽しめるビールはすごく好きだとニコニコ。

ASAHIで英気を養い、これからも美味しいワイン造ってください。ジェームズさん、丁寧に案内してくださりありがとうございました。

 

f:id:Cozy28:20201123094658j:plain

 

COLMAR

colmarestate.com.au

 

f:id:Cozy28:20201123095255j:plain

 

大変失礼ながら、ロス・ヒルの近くにあったから行ってみるか、と最後に付け足したワイナリー。しかし結果的に私たちはここコルマーのワインが強く心に残っています。

 

綺麗に整備されたブドウ畑の間を車で入っていくと、セラードアの建物が見えてきました。あまりに綺麗な風景だったので助手席で動画を取り始めたら、突然野生のカンガルー3匹がピョンピョンとすぐ前を横切って行ったのです。

大興奮の私はセラードアについてすぐ挨拶もそこそこに「今ね、カンガルーがね、」とテイスティングルームを仕切るマダムに話したのですが、オレンジでは野生のカンガルーは特に珍しくないようでした。

この穏やかな女性はコルマーの創設者・ビルさんの奥さんジェーンさんで、「ビルは畑に出ているため、私がここをご案内します」とワインのサーヴと説明をしてくれました。

 

f:id:Cozy28:20201123095422j:plain

 

アイテムリストには、ゲヴルツトラミネール、リースリング、ピノ・グリとフランスのアルザス地方を代表する品種が並んでいます。飲み始めて驚きました。上から順番に全部が美味しいんです。

特にシャルドネは、蜜りんごみたいな果実味と、絶妙に効いた樽香がどストライク。このワイナリーが表現したい世界観が私の好みにぴったりだったんだと思います。

そして嬉しいことに、大好きなアルザスブレンドのワインがありました。ゲヴルツトラミネール、ピノ・グリと少しだけ遅摘みのリースリングで造ったというこのワインLe Mocheは、食事の邪魔をしないくらいほんのりと甘く、アロマティックで本当にアルザスワインを飲んでいるような幸福感に包まれます。

(私はジョンティというアルザスの伝統品種4種を使ったワインが大好きです。この3種のブレンドはエデルツヴィッカーというブレンドなんだそうです。詳しくはこちら⇒Le Moche: our unlikely cult wine – Colmar Estate

アルザス、アルザス言ったらここはオレンジなのに失礼だろうかと思いましたが、この「COLMAR」というワイナリー名はアルザスの街「コルマール」の名前から取ったそうなのです。「まるでアルザスワイン!」は最高の褒め言葉かもしれません。

 

f:id:Cozy28:20201123095356j:plain

 

シャルドネ、ル・モッシュ、スパークリングの計3本を購入し、最後に「実は…」とジェーンさんにお話しました。コルマーのピノ・グリを私が働くレストランで使っていて、とてもファンが多いんです、と。

そしたら終始穏やかだったマダムが、キャッキャと喜んで「この小さなワイナリーのワイン、シドニーまで届けるの本当に大変なの。とても嬉しい!」と言ってくれました。私、これからも一生懸命売りますよ!

 

ジェーンさんは8年前に夫婦でコルマーを立ち上げる前は、ナースだったそうです。「俺たちも60歳になったらワイナリーできるかな」とぬるいことを言い出す夫を横目に、次のワイナリーへ!

 

f:id:Cozy28:20201123095719j:plain

 

DE SALIS

www.desaliswines.com.au

 

f:id:Cozy28:20201123095800j:plain

 

車でぐるぐると山を登って着いたのは、標高1030mの場所にあるデ・サリス。セラードアの横に民家もあり、ここでブドウ畑とともに生活をしている様子が垣間見られました。

 

デ・サリスのワインは、とても良い意味でシリアスなワインでした。まだ固さが残るもの、熟成を経たearthyな香りを感じるもの、合わせるお料理を慎重に決めたいものなど、手放しに「おいしーたのしー」と飲めるワインとは一線を画しています。そして周辺ワイナリーより価格の最低ラインが10ドルほど高いのです。

 

最初は気難しいところに来てしまった、と思ったのですが、セラードアのお兄さん・ベンさんが本当に丁寧に説明してくれて、家族で造るワインのこだわりと信念を知ることができました。

ベンさんがセールス&マーケティングを担当、お兄さんがヘッドワインメーカーという家族経営のワイナリー。お兄さんの味覚の凄さを何度も褒めたたえていて、とても信頼していることが伝わってきました。

ワインはシリアスでも、ベンさんは気さくで正直に色んな話をしてくれます。

(私たちがソーヴィニヨン・ブランを飲む横で「俺はソーヴィニヨン・ブランが嫌いだ。シャルドネにトライしてほしい!」と声高らかに言っていた。)

 

f:id:Cozy28:20201123095948j:plain

 

印象的だったのは「シャルドネとピノ・ノワールを造りたくてオレンジに来た」という言葉。デ・サリスに限らなくても、オレンジでワインを造る方々はオーストラリアっぽい強くて濃いワインではなく、軽やかで繊細なスタイルに誇りを持っています。 

デ・サリスではピノ・ノワールは苗木のクローンを使い分けて細かな味わいの違いを表現し、熟成して美味しいワインに重きを置いているそうです。瓶詰めしてまだ数週間というメルロー&カベルネ・フランのワインも、味わいの奥行きやポテンシャルを感じ、オレンジの思い出として日本に持ち帰る用に購入。

最後に「僕たちはお金のためでなく、ただこのテイストを極めたくてワインを造っている」と、ベンさん。何でもざっくばらんに話してくれたので、より一層この言葉に信憑性がありました。

 

f:id:Cozy28:20201123100022j:plain

 

なんだかんだとお喋りしながら長居をし、高級ワインを2本お買い上げ。オレンジのワインのまた違った側面を見ることができた、素敵なワイナリーでした。

 

そろそろヘベレケですけど、ワイン旅はまだまだ続きます。

 

次号もお付き合いいただけたら嬉しいです!

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

旅の予習編はこちら⇩

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

グランピングの様子はこちら⇩ 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

 

 


 

 

 

ニューサウスウェールズ『オレンジ』へのワイン旅 SWINGING BRIDGE / SMALL ACRES CYDER / NASHDALE LANE【ワイナリー訪問記①】

f:id:Cozy28:20201125213410j:plain

 

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のオレンジへ、2泊3日でワイナリーを9軒回るワイン旅をしてきました。

 

旅の予習編はこちらです。 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

  

訪問したワイナリーの思い出を、振り返りながら書いていきたいと思います。

 

※多くのワイナリーが醸造施設や畑とは別にセラードアというティスティング施設を設けています。今回訪問したのはほとんどがセラードアです。

 

 

SWINGING BRIDGE

www.swingingbridge.com.au

 

f:id:Cozy28:20201120234503j:plain

 

オレンジ駅から車で10分ほど、大自然の中に佇む小さなセラードア。カノ―ボラス山を眺めながらティスティングができます。スウィンギング・ブリッジはオレンジでワイン造りを始めてまだ5年程とのことですが、美しく整ったワインばかりでした。

ワインメーカーでオーナーでもあるトム・ウォードさんのファミリーメンバーの名を冠したワインを試飲しました。

  • ミネラル感豊かでクリーンなリースリングは娘さんの「ELIZA」
  • 控えめな樽香がエレガントなシャルドネはおばあさんの「PAYTEN」
  • なめらかでバランスが良く高貴なピノ・ノワールはお父さんの「M.A.W」(マーク・アンドリュー・ウォード)
  • スパイシーで生き生きとしたシラーズは息子さんの「William」

私はここで「M.A.W」のピノ・ノワールに一目ぼれ。キラキラ輝くルビー色、甘美で魅惑的な香りとなめらかな味わいを楽しみながら、頭の中にある買物カゴに即投入となりました。

 

f:id:Cozy28:20201120234547j:plain

 

また面白かったのが、「#シリーズ」というキャッチ―なワインをテーマにしたシリーズ。テンプラニーリョとピノ・ノワールという珍しいブレンドのワイン「Tempinot」を飲ませてもらいました。

ブルーベリージャムのような甘い香り、軽やかでジューシーなイージードリンキングスタイル。「少し冷やすと美味しいよ!」とセラードアのお姉さん。

こうして書いていて思うのです。あぁ、やっぱり買えば良かったと。一軒目だったので酔いが足りなかったのと、この先8軒の道のりを思い自制したのでしょう。「ワインは迷ったら両方買え」と、過去の自分に言いたいです。

青々と茂る美しいリースリングの畑で深呼吸をし、次のワイナリーへと出発!

 

f:id:Cozy28:20201120234636j:plain

 

SMALL ACRES CYDER

www.smallacrescyder.com.au

 

f:id:Cozy28:20201120234818j:plain

 

ワイナリー巡りと言いつつ、早くもサイダー(シードル)メーカーに寄り道しました。ここスモール・エーカー・サイダーは、サイダーのみを造る家族経営の生産者です。

本来は様々な種類のサイダーを生産していますが、2020年は山火事や水不足の影響で収穫量が減り生産数も少なかったそうです。コロナ前から、自然災害でも大変な時期が続いたオーストラリア。2021年はぶどうもりんごも、どうか順調に育ってほしいと願います。

テイスティングは3種のみでしが、ここではサイダーとのマリアージュなど初めての経験がたくさんできました。

 

最初に飲んだのは発泡していないスティル・サイダーです。りんごのジューシーさそのままを楽しめるお酒で、ほどよく甘くアルコールも軽め。

夫は「朝食に出てきても何も疑わず飲む」と言い、隣の女の子グループは「デンジャラスドリンク!」とグラスをあおる始末。一緒に出してくれたセミハード・チーズと一緒に飲むと、りんごの甘酸っぱさとチーズのまろやかさがとても良く合いました。

こちらは現在品切れ中、事前オーダー可能でクリスマス前には届くそうです。思い出したらヨダレ出てきそう。やっぱり予約してくれば良かったかな。

 

次に飲んだのは「The Cat's Pyjamas」という名のサイダー。良年のみの生産、瓶内二次発酵、澱抜き後に出荷されるシャンパーニュ・スタイルです。

辛口・ビター・タンニン・樽感・熟成感。「こんなサイダー飲んだことない!」というほど複雑な味わいと泡のキメ細かさに驚き、試食として出してくれたリゾットと合わせた時の味わいの変化に感動しました。

チーズやきのこ、おいもなど、ほっくりと風味豊かな秋のお料理に合わせてじっくり飲んでみたい、と思い家に連れ帰りました。

ちなみに「The Cat's Pyjamas=猫のパジャマ」は素晴らしいものを表す時、アメリカ人が使うことわざみたいな表現なんだって。

 

f:id:Cozy28:20201120234844j:plain

 

テイスティングルームの隣がすぐ作業場になっており、そこでは赤いパーカーを着てイヤホンをした男の子が椅子に座って黙々と何かをしています。聞けばオーナーの息子さんで、日曜日のこの日はお父さんのお手伝いでラベル貼りをしていたそう。

お父さんが声をかけると私たち訪問客が見ていることにやっと気づき、照れくさそうにニコニコと手を振っていました。

家族経営ってこのことだな、あの子はお小遣いもらってるのかな、などと思いながら温かなオーナーさんに素敵な体験への感謝を告げ、スモール・エーカー・サイダーをあとにしました。

 

f:id:Cozy28:20201120234935j:plain

 

NASHDALE LANE 

nashdalelane.com

 

f:id:Cozy28:20201120235123j:plain

 

私たちの宿泊先となるセラードア、ナッシュデール・レーンです。天井が高く開放感があり、お洒落なバーのような試飲スペース。

良い感じに酔いの回った私は、予約していた試飲コースを+10ドルでグレードアップし、真っ青な空と青々と茂るブドウの樹を眺めながらうっとりとテイスティングを始めました。

 

f:id:Cozy28:20201120235200j:plain
 

オレンジでは、たくさんの生産者が「フュメ・ブラン」という樽を効かせたスタイルでソーヴィニヨン・ブラン醸造しています。

なぜそうするかという理由は生産者によって様々で明確な答えは得られませんでしたが、他の産地とは違った手法を取り入れたい、ヨーロッパに通ずる冷涼な気候が特長的な産地なのでフランスワインの手法を意識している、などの説明をいただきました。

ここナッシュデール・レーンで初めてオレンジのフュメ・ブランスタイルを試飲。香りこそソーヴィニヨン・ブランらしくパッションフルーツのようですが、古樽で発酵したワインはまろやかさも兼ね備え、やさしい白ワインに感じました。

 

f:id:Cozy28:20201120235102j:plain

 

私たちのお気に入りはピノ・グリです。まさに梨!という感じのソフトで柔らかな甘みや丸み、みずみずしさがたまらない。

眼前に広がるピノ・グリの畑を見ながら飲むピノ・グリは格別でした。

 

f:id:Cozy28:20201120235036j:plain

 

赤ワインはあれこれ悩んだ挙げ句、その夜のBBQで飲む用に少し濃い味のピノ・ノワールをチョイス。

小脇にワインを2本抱え、ご満悦ですぐ隣の宿泊先キャビンへと向かいました。


f:id:Cozy28:20201120235337j:plain

 

ワイン旅はまだまだ続きます。

 

グランピングの様子はこちら⇩ 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

次の訪問記もぜひ読んでください! 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

hitsuji-cozy.hatenablog.com