2019年6月中旬から9月の初めまで、シドニーの語学学校に通いました。タウンホール駅にあるILSCという学校です。
ILSCシドニー校の様子
この学校に決めた理由
夫がシドニーに来てまず通った学校がここだったことと、駅から徒歩1分の好立地だったことです。学校終わったら帰りに駅のスーパーで買い物して帰ればちょうどいいかな、くらいに思ってました。
年齢層
30歳半ばで学校通って大丈夫なのかと本当に本当に心配でしたが、30代も結構いるんです。特に南米の学生は自国で働いてお金を貯めて来る人が多かったので、年齢層が高めでした。
歳を気にしているのは日本人だけだとよく言われますが、それでも気にしてしまう気持ちもよく分かります。20代の学生さんたちはグループで仲良く楽しそうでしたが、30代は落ち着きと時間は無限でないと実感していることが強み。私は誰かと一緒でなくても気にすることなかったので、勉強に集中できました。
学生の国籍
私の感覚ですが、コロンビアやブラジルなど南米系の学生が多く、アジアは韓国、日本、タイが多かったです。スペインやドイツの学生とも会いましたが、学校来る必要あるのかなってほど喋れました。
学費
入学金、教材費、12週間分の授業料合わせ4,290AUD。日本円で約33万円位でしょうか。なんという贅沢。
一日の時間割
私が通ったのはフルタイム・モーニングというコースです。
8:30~11:15 授業①コアクラス
11:15~11:45 ランチタイム
11:45~13:00 授業②スキルクラス
成績に関わるのは授業①コアクラスだけで、授業②スキルクラスはみんなリラックスして楽しく受けてました。
学校スケジュール
1セッション4週間で、1週目の月曜日が入学式、4週目の金曜日が卒業式です。3週目終わりから4週目始めにテストがありました。入学は毎週月曜日からできますが、やはり1週目に始めるのが一番スムーズです。
クラス分けについて
初日にクラス分けテストがありました。初級1~4、中級1~4、上級1~2の10段階にレベル分けがされています。私は中級1からスタートし、中級2で卒業しました。人によりますが、2セッション(8週間)で1段階あがる人が多いようです。
その他、校内の様子やルール
- 冷蔵庫やレンジがたくさんあるのでお弁当を持って行けます。
- 学校の入っているビルが古くエレベーターがよく故障したり、朝の時間はかなり長い列を待つことになるので、7階まで階段で上がってました。
- 学校内はイングリッシュオンリーポリシーがあり、母国語の使用が禁止されています。見つかったら停学処分などもあるとか。
- 授業開始から15分間は入室が許可されていますが、それを過ぎると休憩時間まで入れてもらえずに、欠席扱いにもなってしまいます。先生による差はかなりある様子でした。毎朝、授業スタートの8:30には、先生といつもの3人しかおらず、徐々に人が増えていく感じでした。
- 学生ビザの方は80%以上の出席率をキープしなければいけません
- 放課後には様々なレクリエーションが用意されています。
選択したクラスと授業の様子
1~4週
◆イングリッシュコミュニケーションズ
話す・聞く・書く・読むをバランス良く学ぶ授業です。トピックも日常的なもので、教科書があったので予習・復習もしやすく、語学学校最初のクラスとしては最適だったと思います。
◆グラマー&ライティング
退屈だと噂の授業でしたが、文法やライティングのルールをしっかり学べて、私にとってはとても実りある授業でした。スピーキングをすることもなく、座って教わる授業だったので安心感がありました。
5~8週
◆スピーキングダイナミクス
スピーキングに特化したクラスですが、日常会話ではなく、非常に難しいトピックについて自分の意見を話します。授業の初日、最初のトピックは「女性脳と男性脳について」でした。その後の授業で、男女差別等の話題へ発展していくのですが、日本語でもどう言えばいいか考え込んでしまうようなことを、瞬発的に話さなくてはなりませんでした。
まず、社会人を10年以上していたのに、こんなにも自分の意見がまとまらないことにかなり落ち込みました。そして、YESかNOが決められない優柔不断な自分…。クラスメイトたちがズバズバ意見を言う様子を見ながら、「これではダメだ!」と奮起したり「もうイヤだ!」とへこたれそうになったり。
本当に本当に一番きついクラスでしたが、この4週間でだいぶ強くなれたと思います。多くの日本人がスピーキング力を伸ばしたいと思っているのか、日本人の割合が高いクラスでした。教科書はなくとにかく話すことに重きが置かれるので、「このやり方が合わなければクラス替えをしてください」と初日に先生が言っていました。
◆リスニング&カンバセーション
こちらは日常的なトピックについて話す授業でした。人の性格や人間関係にまつわること、デジタル社会についてなど、比較的軽い話題です。リスニングは映画や洋楽を使って楽しく学び、朝の授業とは違いかなりリラックスして受けました。
9~12週
ここで中級2にレベルアップしました。
◆ビジネスイングリッシュ
電話応対、メール作成など、仕事の場面で使う英語に特化したクラスです。出てくる単語が途端に難しくなりましたが、たまたま6人という少人数のクラスだったため、みんな仲良く先生にも質問しやすく、とても居心地が良かったです。中級3との合同クラスだったので、周りの生徒はレベルが高く刺激になりました。
◆パブリックスピーキング
会話ではなく人前で話すためのクラスです。人前で話すのはどんな人でも苦手なこと。それを受け入れて少しでも克服するための、立ち居振る舞いや心構え、原稿構成などを学びました。クラス内の小グループの中で話すことから始まり、クラス全員の前、他のクラスの教室、最後には全生徒が集まる集会のような場で話す機会がありました。
クラスを変えたい時には
受けてみたけれどなんか違った、自分の希望したクラスにどうしても入りたい…。そんな時には、1週目の水曜日か金曜日にクラス変更の希望を出せました。それから、出席率が高い人が希望クラスに入れるよう優先されるらしい、という噂もありました。
試験の一つ、プレゼンテーションについて
3週目の終わりから4週目始めがテスト期間となり、試験の項目の一つにプレゼンテーションがあるクラスがほとんどでした。パワーポイントを作成し、原稿(当日はメモ程度)も用意しなければなりません。
◆1セッションめ「スポーツ」
クラスのみんなが違うスポーツの発表をできるように事前に皆でテーマを決めました。スポーツの歴史、ルール、楽しみ方などを5分の発表にまとめます。私はプロ野球ファンなので、baseballを選びました。
◆2セッションめ「性教育は幼稚園から始めるべき理由」
結構ショッキングな話題ですが、この時のクラスは社会問題がテーマでした。売春、中絶、安楽死、マリファナなどのキーワードの中から一つ選び、合法にすべきか、違法にすべきかなど自分の意見を納得させるプレゼンテーションをしなければいけませんでした。
◆3セッションめ「自分の国のビジネスマナーについて」
他国の生徒の発表を聞き、色々な文化を知ることができたのがとても良かったです。2セッションめに比べると、かなりリラックスして楽しくできたことは言うまでもありません。
英語でプレゼンテーションした経験はなく、大きな大きなストレスでした。夫には「学校のプレゼンテーションなんだからもっと気楽にやったらいいよ~」とも言われましたが、ひたすら練習を繰り返した結果、プレゼンテーションだけはかなりの高得点が取れ、先生にも褒められました。
時間があって練習すればできるんです。でも、瞬発力がなくて会話は苦手…会話力を上げるのが目下の目標。英語の問題もあるけれど、やっぱりコミュ障なんだと思います。
語学学校で達成感と成長を感じた瞬間
ある日突然英語が話せることはなく、急に成長を感じることってないですよね。今にして思えば程度の話ですが、3セッションめ最後の授業中、人前で全く緊張せずに話せていました。
学校の最終週に仕事を始めることになり、3日ほど学校をお休みしてしまいました。卒業式の日に学校に戻り、最後の授業で「自分を魅了してやまないもの」について話す時間がありました。ほとんどの生徒が前日までに終わらせていて、残るは私と数名のみ。先生に「できるか?」と問われ「やってみます」と。
大好きなワインについて話したのですが、それが思いのほか上手くいき、自分でも「あ、できた」と思いました。先生は卒業式の後わざわざ私のところに来て、「しばらく休んでいたからできるか心配だったけれど、とても良い発表だった」と伝えてくれました。大人になると褒められることがなかなかないので、本当に嬉しい経験です。
語学学校に入る前にこれだけはやっておくべき
英語で英語を学ぶので、最低限の学習用語だけは知っておくべきでした。例えば、前置詞=prepositions、不定詞=infinitives、現在完了=present perfectなど。当初このような単語を知らなかったので授業で「???」となることがあり、家に帰ってから一覧をノートに書いておきました。
また、「初級は簡単すぎる」という日本人の学生もいたので、できる限り自分で勉強して中級スタートができると良い刺激がたくさん得られると思います。
語学学校に行ったら英語が話せるようになるのか
行っただけではなりませんが、勉強の仕方を学べるし、少しずつ度胸がついてくると思います。友達もいなく、仕事もなかった私には、海外生活をスタートさせる良い場所になりました。
独学ではくじけそうな心も、先生が褒めてくれたり同世代の頑張っている学生さんを見たりすると、やっぱりやる気が出てきます。英語を勉強し始めて思ったのは、教材や方法も大事だけれど何はともあれ自分次第だということです。
良い学校はどこか、効き目のある教材は何かとさんざん調べましたが、やってみないと分からない、続けないと効果がないので、もう調べるのはほどほどに今は自分のやり方で気ままにやってみています。
長い体験記、お読みいただきありがとうございます。留学を考えるどなたかの勇気になれば幸いです。