ひつじさんぽ

30代夫婦のシドニー暮らし × 留学・英語 × ワイン

インディアンパシフィック号に乗ってオーストラリアを横断!【Day3, Day4】

シドニー発、インディアンパシフィック号でパースへ。3日めは世界一長い直線路で有名なナラボー平原に入ります。

 

⇩2日めの様子はこちら

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

【Day3 午前】ナラボー平原に突入

 

本当によく眠れた2日めの夜。6時に目覚ましをかけていたら、その10分前に起こされて日の出を見ることができました。

お腹はあまり空いていませんでしたが、ランチ・ディナーとの間隔調整のために6時半に朝食へ。この日はほぼ一日列車の中で過ごすことになるため、「ベッドを片付けなくて大丈夫です」というメモを残しておきました。

食堂車に行くと、そろそろ皆さんだいぶ顔見知りです。私と夫の会話の中では「クイーンズランドのご夫婦」とか「ビールを飲み続けているおじさん」など、出身地やラウンジでよく飲んでいるドリンクで認識していました。

 

 

朝ごはんのあとはラウンジでカプチーノ。そして部屋に戻ってゴロゴロ、ウトウト、時々読書。ふと窓の外に目が移りぼーっとしてしまうことが多いので、映画を観るという感じでもなく、何度も読んだ本や雑誌なんかがちょうどいいです。

12時過ぎ、世界一長い直線路で有名なナラボー平原に入りました。478㎞の直線路、ひたすら続く地平線を眺めます。車内放送で「ナラ=無い、ボー=木」という意味だと言っていましたが、背の低い木は生えています。

 

 

時間の流れが早いのかゆっくりなのか、よく分からなくなってきます。「あと2時間で次の目的地です」という車内放送が入ると、「もうすぐだな!」なんて思ってしまいます。シドニーで2時間も電車に乗るとなるとだいぶ長いはずなのに。良い意味で時間を持て余している感じがたまらなくて、「何もしない」を満喫しました。

12時40分頃、クック駅に到着。30分ほどの散策のため下車します。1917年に作られたこの駅はアウトバックを支える町として一時は栄えていたものの、1996年にその役目を終えて周囲の居住地も徐々に衰退。現在は週2回インディアンパシフィック号が停車して給油をし、今いる数名の住人に食料や生活用品を届けているそうです。

 

クック駅の簡潔すぎる案内表示。souvenirsを売っていたこともあったそうです。

 

長い列車の全貌が見られる唯一の駅です。まずは先頭車両に行ってみました。セントラル駅で見た時よりもさらにかっこよく見えたインディアンパシフィック号。やっぱりアウトバックがよく似合います。

 

給油中のインディアンパシフィック。凛々しい。

 

クックの街の中を経由して最後尾車両に向かいました。昔の面影を残す学校や病院などがあり、寂しい雰囲気です。

 

 

この日の貴重な運動時間なので、時間いっぱい歩き回り体操もしました。そんな私たちよりもさらに遠くへ、乗車時間ギリギリまで早歩きをしている男性がいました。後ほど聞くとパースに着いてからマラソンに出場するとのこと。インディアンパシフィック乗車前後の過ごし方も本当に人それぞれです。

 

最後尾車両は車を載せていた!

 

車内に戻ってランチタイム。朝を早く食べていたこともあり、列車に乗って以来初めて空腹を感じました。夫が注文したラクダカレーを恐る恐る一口だけ食べてみたら、ほろほろと柔らかくてビーフみたいに美味しかったです。

 

ラクダカレー(下)

 

午後も本読み、ウトウト、外を眺める、日記を書くを繰り返すこと数時間。15時半過ぎに南オーストラリア州から西オーストラリア州に入りました。暗くなって外が見えなくなってからは、ダウンロードした映画を観て過ごしました。

 

 

【Day3 夜】ロウリナ駅で過ごす最後の夜

お気に入りの写真です

 

19時頃ロウリナ駅に到着。しんと冷たい空気の中、外歩きを楽しみました。夏季はここで屋外ディナーとなりますが、この時期は思い思いに焚火や星空、生演奏を楽しむ自由時間。列車の中からグラスどころかワインボトルごと持ってきている賢い方もいました。

 

 

かなり寒かったのでさくっと列車に戻り夜ごはん。絶対に食べ過ぎなのは分かっているのに、前菜もデザートもパスせずに欲張ってしまいます。毎食腹十二分目です。

食後にレイトハーベストのデザートリースリングを飲んでワインリストをコンプリート!ちなみにデザートワインはオージー英語で「スティッキーワイン」と言うことも、ラウンジで教えてもらいました。

 

充実のワインリスト。初日に写真を撮って今日はどれを飲もうかと毎日考えていました。

 

日中昼寝ばかりしていたのに、部屋に戻って22時には寝てしまいました。深夜にふと目が覚めると外が騒がしく、時計を見ると午前2時。私は再び寝に入ってしまったのですが、かなり大きな衝撃があったと翌朝知りました。あれはなんだったんだろう。

 

ラウンジのテレビに映っている地図

 

【Day4】パースに到着

 

最終日は15時のパース到着まで何もありません。6時半に起床し、7時半頃朝食へ。部屋に戻って再びゴロゴロ。結局、2日めの夜から到着の1時間前まで私の部屋のベットは広げたままでした。12時半に再び食堂車へ。食後に最後のワインをラウンジでいただきました。

インディアンパシフィック号での食事はすべて大満足でした。電車の中で作っているとは思えないほどで、それを抜きにしてもすごく美味しかったです。帰り際に列車の廊下でシェフにお会いでき、直接お礼を伝えられました。

 

 

荷造りをしながら少し寂しい気分に。ここ数か月心から楽しみにしてきたインディアンパシフィックの旅がもうすぐ終わってしまいます。でもそれと同時に、今後色々な場所でクルーズトレインやクルーズシップに乗ってみたいという新たなバケットリストも増えました。

 

 

15時10分、イースト・パース駅に到着。お部屋のご近所さんとは「良い旅を!」とご挨拶をし、最初から最後までいつも気にかけてくれたマネージャーさんにもありがとうを伝えました。そしてタクシー乗り場にまでインディアンパシフィックのスタッフの方がいて、最後までお見送りをしてくれた素晴らしいホスピタリティ。

 

 

パース市内のホテルにチェックイン。荷ほどきをしてコインランドリーに行くと、2時間前に別れを惜しんだ「ビールのおじさん」と奥さんも洗濯をしにやって来た!爆笑の再会を果たし、「今夜はシャワールームも揺れないしベットも広くていいわね~!」なんて冗談を言いながら別れました。その後散歩中にもご近所さんとばったり会い、世間話をしました。

ディナーは3日ぶりの白ごはんを食べに日本食料理店へ行ってしまいました。そして久しぶりにバスタブにお湯をはってくつろぐものの、もうすでにあのタイニールームと車内の揺れや音が恋しい夜。

 

 

今回インディアンパシフィック号に乗って、心に決めたことが一つあります。旅は行きたい時に躊躇しないということ。

クルーズトレインはなんとなく老後に楽しむものと思っていましたが、揺れる車内でシャワーを浴びたり、小さなベットで寝たり、お腹いっぱい飲んだり食べたり、気力体力がしっかりしていないと楽しめないような気もします。思い切って今回行ってみて本当に良かったです。

クルーズ旅に限らずとも、「いつか行きたいなぁ」と思ったままにせず、行きたい所に必ず行きます。旅好きな方に多く会い、まだまだ色々な世界を見てみたいと刺激を受けました。

 

 

ここまで3回にも渡って書いておいてなんですが、10分ほどにまとめた動画も作りました。いつも旅行やお出かけをすると、日本の家族に見せる用で動画を作りYouTubeで限定公開しています。夫婦のツーショットなど無益な写真は消して短くしたので、良かったら見てください。

YouTube提案のサムネイルがまさかのシェリタさん(ブロークンヒルのクイーン)だったので、そのままにしておきます。

youtu.be

 

ささやかな夢が叶った幸せの4日間。しばらくは余韻に浸ったままです。