オーストラリア生活で出会った「プラスチックフリージュライ」の活動を機に、脱プラスチックを心がけ、使い捨てアイテムやゴミを減らす生活を少しずつ実践しています。
そんな最中に、生理用品に関するこのような事実を知りました。
「生理用品が消費するプラスチックの量」といわれても、ピンとこないだろう。女性は平均で40年間、生理を経験する。月に1度、5日間ほど出血があり、期間中に20枚のナプキンを消費する。
つまり、1人の女性が9,600枚のナプキンを人生で使う試算になる.。1つのナプキンに含まれるプラスチックの量は、レジ袋4枚分程。女性は生涯で、38,400枚ものレジ袋に値する量を消費しているようなものだ。
マイバックよりマイカップより、ナプキンを止めるべきなのかと理解はしつつ、「生理用品のリユースはハードルが高いよ…」と悩むこと数週間。意を決して「月経カップ」デビューをしました。
かなりの勇気を振り絞りましたが、心配をよそに大成功だったため、私の体験をシェアしたいと思いブログに書きました。向き・不向きが大きく分かれるアイテムだと思います。一個人の意見として読んでいただければ幸いです。
※血液等の話題も含まれるため、苦手な方はお控えください。
月経カップとは
生理期間中に、このシリコン製のカップを膣内に入れることによりカップが経血を受け止めてくれる仕組みです。
シンプルと言えばシンプルですが、
- どうやって膣内に入れるのか?
- 危険性はないのか?
- 手入れの方法は?
など、頭の中は疑問だらけ。私はまず、月経カップについて入念に調べることから始めました。
月経カップについて調べたこと
月経カップはかなり昔から普及していた
月経カップはアメリカでは1930年代から登場。21世紀初頭、医療用シリコンの普及と共に様々なブランドが作り始めたそうです。ナプキンやタンポンよりも歴史が古かった!
参考:紙ナプキンやタンポンより古い生理用品とは? | インテグロ株式会社
他国ではわりと一般的!?
ヨーロッパやアメリカでは、エコ志向な方々の月経カップ利用が増えているそうです。今まで全く気が付かなかったのですが、注意して見ているとオーストラリアのドラッグストアにも常時2種類くらいは品揃えがありました。ちなみに私が月経カップを買ったのは、いつも行くスーパーです。
月経カップではないリユースできる生理用品
使い捨て生理用品をやめようと思った時、布ナプキンや生理用ショーツも検討をしました。でも私にとって、布に染み込んだ経血を洗うのを続けられる自信がなく、使用中の洗浄が一番簡単そうな月経カップを取り入れたいと思いました。
⇩ナプキン不要の新世代生理用ショーツ「ModiBodi」についてとても詳しいおすすめ記事です
⇩月経カップと布ナプキン・布ライナーを併用すればゴミゼロ
月経カップの選び方
リサーチの結果、ブランド・大きさを選ぶ必要があることが分かりました。私が購入したのは、オーストラリアの生理用品ブランドTOMのものです。医療用グレードのシリコン使用で、詳しい説明書、洗浄用容器、保存用巾着がついている安心セット。色もくすみピンクでかわいい!
[公式HP] The Modern Period Cup — TOM Organic
ほとんどのブランドが、
- 年代(20代かそれ以上か)
- 経産婦であるか否か
で大きさを分けています。
私は、出産経験はありませんが35歳なので大きいサイズが推奨されています。しかし、初めての月経カップなので小さいサイズを購入。経血が特別多い体質ではないので、小サイズで多い日に最長8時間使用でも漏れずに使えました。
日本では下記の5種類が有名なようです。
↓ 違和感ゼロのデザインで初心者向けの「スクーンカップ」
↓ 純日本製の安心感「ローズカップ」(ワンサイズのみ)
↓ やわらかくて容量がたっぷりの「スーパージェニー」
↓ 月経カップのスタンダード「エヴァカップ」
↓ 取り出しやすいリング型・豊富なサイズ展開の「メルーナ」
オーストラリアのスーパーで上記の物でないカップを購入した私ですが、一つ使ってみた上で数種類を見てみたら、他とは全く違う形の「スク―ンカップ」の付け心地が気になりました。
また、数度の着用で、「シリコンが薄くて柔らかいものの方が挿入はしやすいが、厚めで弾力があるものの方が膣内で開きやすいだろう」という感覚があり、そのどちらも兼ね備えている「スーパージェニー」は使いやすそうだな、と思います。
使用方法と私の体験談
使用前の煮沸洗浄が必須!
月経カップ使用においてこれが一番のネックとなりますが、幸いにも電子レンジで使える洗浄用容器がついていたため、初めての使用前はこちらを使用しました。
水を少し入れて、電子レンジで加熱すること1分。水がグツグツと煮えて煮沸消毒完了です。
このようなシリコン製のレンジ用洗浄容器も販売されていました。
煮沸消毒は生理期間中は必要なく、石鹸等できれいに洗って繰り返し使います。
「生理期間前には必ず煮沸消毒をするように」と説明書きがありました。ただ、石鹸できれいに洗浄したとは言え、使用済の月経カップを電子レンジで温めるのは私には抵抗があります。
そこで、直火にかけられる琺瑯の小さなボールを購入し、それを月経カップ煮沸専用にしました。使用後はこのボールに月経カップグッズを全て入れ、バスルームに保管しています。
折り方を練習する
この折り方で挿入することに決めました。折りたたんだ状態で直径2㎝ほど。タンポンの2倍くらいは太いので、最初は上手くいかなくても仕方ないと思いながらやってみました。
⇩私が購入した月経カップメーカーから動画が出ていたので予習しました
PERIOD CUPS - Everything You Need To Get Started! (2020) Tom Organic cup!
外出のない日に試してみる
私は最初、何かあってもすぐに流せると思い、シャワーの後にお風呂場でチャレンジしました。練習した通りにカップを折り、足を開いて入れてみて、膣内でカップが開いたか確認。 使用者の方の体験談によると、折りたたんで入れたカップが「ポコっと広がった感触」がするそうなのですが、私の場合はその感覚は分かりませんでした。
最初は、痛くはないけれど違和感は大いにあるような状態。あれやこれやと動いてみたり、膣周辺をきゅっと閉めるように力を入れてみたり繰り返していると、すっと収まった気がしました。
その後は座ってもしゃがんでも、カップが入っている感覚がなかったです。むしろ取れなくなるんじゃないかと少し恐さを感じながら数時間を過ごしました。
数時間後取り出してみる
私のカップは最長8時間装着可能ですが、6時間あたりで一度出してみることにしました。トイレに座って取り出そうと試みると、ステムの部分がすっかり奥に入って外からは触れません。
予習の通り、膣内に力を入れるようにいきむと、うにゅ~と降りてきました。焦れば焦るほど力が入って取れないそうですので、リラックスが大切。
カップの下の方をつまみながら引っ張ると、圧迫感はありましたが、無事に取り出せました。中に溜まった血液を捨てて、水できれいにすすいでまた装着します。
トイレの前には必ず手を石鹸で洗い、清潔にしてから始めます。また、カップ下部についているステムは、カップを見つけやすくするためのもので引っ張っるためのものではないと、説明書きにありました。
装着中のお手洗いはどうする?
個人差はあるのかもしれませんが、私の場合は月経カップ装着中の排泄は全く問題なく行えました。
実際使って分かったメリット
ゴミゼロの生理期間が可能になる
初回だったので手持ちの使い捨てナプキンを使用しましたが、一切汚れることなく生理期間を終えました。今は補助として布ナプキンを使用し、ゴミゼロが実現できました。
⇩近所のスーパーのエコグッズ売り場で購入した「hannah」というブランドの布ナプキンを使っています⇒The Brand hannah Australia
ナプキンやタンポンを買わなくて済む
3000円~4000円程する月経カップですが、最長3年(物によっては最長10年)使えるのでコスパもかなり良いです。特にオーストラリアは生理用品が高く、「セール時を狙って買いたい!」とやきもきしてストレスになっていたので、その煩わしから解放されました。
ナプキンかぶれに悩まない
合わないナプキンでかぶれてしまうことがよくあり、価格も高く特定の場所でしか買えないナプキンを使用していました。現在そのような悩みはなくなりました。
注意点とデメリット
外出先や日本のトイレでは使いずらい
使用後にカップ内の経血を捨てて、水ですすぐ必要があるので、トイレの個室内に水道があることが理想。今暮らしているオーストラリアのアパートは、バスルームにトイレ・バスタブ・洗面台があるタイプなので、月経カップ使用時はとても便利です。
日本のトイレだと、一度洗面所に行き洗って…という流れが少し面倒かな、とも思いました。外出先ではボトルに水を入れて持込み、それで流す方法を実践する方もいらっしゃるようです。
初心者の私は長時間の外出時には、月経カップを付けて外出→数時間で外す→拭き取って専用ケースで持ち帰る→その後は布ナプキンか生理用パンツで対応、という方法が荷物もゴミも少なくて良いかなぁと考えています。
経血の量が多い方は心配だろうと思う
私は多い日でも、一度装着して8時間で溜まる量がカップの3分の1ほどでした。
だいたい一回の生理でどのくらいの量が出ているか計算してみたところ、50~60mlくらいのようです。個人差はあり、20~140mlくらいが正常範囲との情報を見ましたが、140ml出る方であれば交換の頻度は高くなるでしょう。
経血量が少なくて、カップ出し入れの回数が最低限で済む人は快適に使えるはずです。また、このように経血量を知ることができるので、自分の身体の変化に気が付けるのも良いな、と思いました。
参考:月経(生理)が長い、経血(出血)の量が多い、月経異常の症状と対策 | NHK健康チャンネル
爪を長くしている方は難しいかも
自分の指でカップの出し入れをするので、爪を長くしている方は難しいだろうと思いました。
少しこわい情報も見つけました
⇩誰もが心配する「取れなくなる経験」をした方もいらっしゃる
⇩タンポンほどではないけれど少なからずリスクも
デメリットも理解し、清潔に適切に使用することが重要ですね。
まとめ
あれだけ心配して調べあげた甲斐あってか、すんなりとスタートできた月経カップ。試してみたくても躊躇してしまう気持ち、とてもよく分かります。
それでも私のように、
- ゴミや使い捨てを減らしたい
- 脱プラスチック生活をしたい
とお考えの方へ、この体験が少しでも助けになればとても嬉しく思います。
今回購入した月経カップの箱に書いてあった「Small Choice Big Impact」。私の背中を押してくれた大切な言葉です。今後もこの精神で、私たちの地球と未来に優しい選択をしていきたいです。