南オーストラリア州のワイン産地を巡る4泊5日の旅。バロッサヴァレー後編です。朝、クレアヴァレーからバロッサヴァレーへと移動し、5つのセラードアを巡るタイトな一日でした。
⇩バロッサヴァレー前編の日記はこちらです。
バロッサヴァレーは暑くて雨が少なく乾燥しています。ワインの教科書に、「バロッサは暑いからブドウ樹の仕立てがブッシュヴァイン(株仕立て=ワイヤーを使わず枝がわさわさしている状態)である」と習いました。その方が葉っぱがブドウの影になるから。注意して見てみるとブッシュヴァインの畑が多々あります。ワイヤーで仕立ててあってもクレアヴァレーや翌日行ったアデレードヒルズに比べ、葉の量がわっさわっさと多い感じがしました。
また、ブドウ樹の天敵フィロキセラ未侵入の地であり、1800年代後半から命を繋ぐ古樹が存在する歴史的産地。ほとんどの畑に柵が建てられ立入禁止です。
セラードアの数はBarossa Australiaのウェブサイトに載っているだけで96。そんな大産地を一日で知ることは到底できないので、一週間位ゆっくり過ごせたら最高だなぁ。
午後から夜にかけて3軒のセラードアを訪問します。ずっと運転してくれてる夫も吐器なしでティスティングできるように、宿に車を置いて徒歩で散策。ジリジリとした日差しの中、美味しいワイン求めてブドウ畑の間を歩きました。
⑧リースリングフリーク Rieslingfreak
黒ブドウ品種がメインであるバロッサに来ても、まだリースリングが飲みたい私たち。こちらはリースリングに深い愛情を注ぐジョン・ヒューズさんが2009年に設立したワイナリーです。
各ワインには番号が振り当てられ、リースリングの産地やスタイルを表しています。No.3、No.5、No.6、No.7、No.9はクレアヴァレー。 No.2とNo.8はクレアヴァレーの中でもリースリングフリークが大事にしているスレート土壌のポリッシュヒルリバー。 No.4とNo.12はバロッサのすぐ隣にあるもう一つのリースリングの銘醸地イーデンヴァレー。8種類のリースリングをいただきました。
初めてのクレア、ポリッシュヒルリバーinクレア、イーデンの同時飲み比べ。リースリングなので基本的に「すっぱきゅーん!」な味わいではあるのですが、それぞれの絶妙な違いに感動しました。
果実味選手権だと1位クレア、2位ポリッシュヒルリバー、3位イーデン。ミネラル選手権だと1位イーデン、2位ポリッシュヒルリバー、3位クレア。
味わいの奥行きはイーデンヴァレーがピカイチに感じました。No.12フラックスマンヴァレーというサブリージョンのワインのメモには、酔っぱらった私の字で「強さじゃなくて幅」と偉そうに書いてあります。
それからNo.99も美味しかった!No.99は醸造家が何か新しいことを試みるための遊び場で、毎年違うスタイルのワインができあがるそうです。飲ませてもらった2015年は野生酵母で発酵させ、6か月澱の上で熟成させたクレアヴァレーのリースリング。限定感も面白いので買ってきました。
セラードアのお姉さんはとっても気さくで、おしゃべりもたくさん楽しみました。なんとWSETディプロマの試験を終えたばかりだそうで。私もシドニーでLevel3を受験したので「先生誰だったの?」と聞かれたり、「ディプロマってどんな感じです?」とか「なんでディプロマ目指したんですか?」とかとか根ほり葉ほり聞いてみたり。最後には「ワインも美味しいし仕事もいくらでもあるから、バロッサに引っ越してきちゃいなさいよ!」と言われました。ワイン産地暮らし、本当に憧れてます。
⑨マイケル・ホール Michael Hall
Googleマップで見るとリースリングフリークと同じ場所を指していて、どういうことだろうと思ったら、同じ建物内でした。半分ずつスペースを使ってセラードアを運営しているので、一か所で二度美味しい体験ができます。
イギリス出身の二人の男性マイケルさんとフィリップさんで運営を行う小さなワイナリー。この日はとってもやさし~い雰囲気のフィリップさんがワインの案内をしてくださいました。(ちなみに、ワイナリー創始者のマイケルさんは、ワイン造りの夢が諦めきれず40歳の時にオーストラリアの学生ビザを申請して醸造の勉強を始めたんだとか!)
アデレードヒルズのソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネとお手本のような綺麗なワインの中にお気に入りの白を見つけました。バロッサヴァレーのルーサンヌ。ピーチ系の果実味とお花の香り、オイリーでまろやかな舌ざわり。とっても気に入ったので買いました。バロッサに来ても白ワインばっかり選んでいる感じがします。
「明日はアデレードヒルズに行く」と言うと、フィリップさんおすすめのワイナリーを5つ教えてくださいました。翌日はコアラを抱っこしに行った関係で一つも訪問できなかったので、今後のワイン選びの参考のために自分メモを貼っておきます。
ゆったりとしたティスティングタイム。バロッサで過ごしたとっても素敵な午後の時間でした。
ナイトライフ:Z wine
事前の調査で、宿から歩いて行けて夜も営業しているセラードアを見つけたので行ってみました。ここZ wineは姉妹でワイン造りを行っているワイナリーで、ジェームス・ハリデーのワインコンペティションをはじめたくさんの賞を受賞しています。 週末の夜にはライブミュージックが楽しめて深夜まで営業しているおしゃれなワインバー。
軽く何かつまみたかったので、フードペアリングセットを注文しました。こういうのすごく嬉しい!
バーは地元の方々の憩いの場という感じで、入店してくるお客さんを見ているとみんな顔見知り同士といった様子。でも観光客の私たちにもすごく優しく、店内一体となってワインと生演奏に酔いしれました。(隣のおじさんが「演奏中のあのデュオは元は夫婦だったんだよ!」とプチゴシップをくれた。)
この雰囲気があまりに楽しく、昼間飲み過ぎたからワインやめとく~と言ったわりには2杯おかわりし、へべれけで帰路に着きました。そして夜食に、シドニーからリュックに入れていったカップヌードルを。本当によく飲んだ一日でした。