ひつじさんぽ

30代夫婦のシドニー暮らし × 留学・英語 × ワイン

シドニー生活3年目を迎えてしまった2021年秋

2019年5月5日、家族や友人たちに見送られながら羽田空港を発ち、ここシドニーへと引っ越してから2年が経過しました。本当は今日ビザが失効し、今頃日本のどこかで新生活をスタートしているはずでしたが、結局まだここにいます。

2年の節目に、今の状況や思ったことを書いてみます。

  

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シドニーに到着した日。空の青さに圧倒されました。

帰国が延長になった理由

2年間のビザ失効を前に夫が帰国の話を会社とする中で、「ビザスポンサーになるからもう少しオーストラリアにいたら?」という提案をしてもらいました。

夫の仕事は、景気や世の中の状況に大きく左右される職業です。今の日本に帰国してもオーストラリアと同じように仕事ができる保証がなかったこと、現在やりたい仕事ができている充実感を感じていること、オーストラリアにいた方がステップアップの機会が多いことなどから、ひとまずは今の会社に残る決断をしました。

もしもオーストラリアでの永住を考えているならばスポンサービザをもらうことは順調なルートですが、いずれは帰国すると決めている私たちは複雑な思いも少々。それでもこのような厳しい情勢においても、選択の余地を与えてくれた会社にとても感謝しています。

 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

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オーストラリアは可愛くて不思議なお花がたくさん咲いています。

2年間はあっという間だったとも言えるし長かったとも言える

2年という月日は過ぎてしまえばあっという間だったけれど、よく考えると周囲の状況を変えるには十分な時間でした。元号が変わり、消費税は10%になり、一度も会えていない親友の子どもはもう2才になるし、これまた未だに会ってない義理のお兄さんと甥っ子という新しい家族も増えました。そして何より、得体の知れないウイルスが世界中に蔓延しまるで変わってしまった生活形態。

そんな世の中の大転換期に日本にいなかった私たちは今後大丈夫なのかと思ったり、自分たちだけ安全なオーストラリアで好き勝手暮らしている罪悪感みたいなものすら感じて、あれちょっとそこまで悩むことないよ、と自分で自分をなぐさめたりしています。

 

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ブリュワリー巡りは趣味の一つです。

日本の家族との合言葉は、「皆それぞれの場所で安全に健康に」です。両親は「今は日本にいてもそう頻繁に会えるわけじゃないんだから大丈夫。そちらで楽しく暮らし元気に働いてくれてる方が安心よ。」と言ってくれましたが、一時帰国すると言って叶わず、2年で帰ると言ったのに結局帰国せず、"帰る帰る詐欺”を繰り返す私たちに愛想を尽かしているんじゃないかと不安になることもありました。

母二人(私の母と夫の母)は頻繁に連絡を取るのでいいのですが、父二人と半年に一度くらいテレビ電話をする時には「あぁ歳とったなぁ…」としみじみ。私が大学生の頃に実家で飼い始めたトイ・プードルのジャックは近頃老いがかなり進み、父には「きっと帰国には間に合わねーべなぁ…」と言われ、これを書いている今も泣きそうです。

「日本で何かあったとしても翌朝には羽田に着くから大丈夫!」と言い聞かせて出てきたのに、それが不可能な今なのだからやっぱり何を差し置いても完全帰国を最優先にすべきだったのかなぁ、とクヨクヨすることもあります。

駐在でも永住でもないのだから、今回帰国を見送ったのは完全な自己責任なんですけどね。

 

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真夏のクリスマスはすごく変な感覚です。

オーストラリアの新型コロナウイルスの状況

オーストラリアはコロナ対策成功国で、感染者はもうほとんどいません。先週2人の市中感染者が出たため勤務時にマスクの着用義務が再度アナウンスされましたが、ここ数ヶ月マスクすらしない生活を送っていました。

豪政府は2020年3月に素早い判断でロックダウン&鎖国を決め、国民には十分な経済補償を行い(私たちは保証ありませんでしたけど)、厳格なルールと具体化された方法で感染対策をしながら収束させました。

見事な収束の後、シドニーでは経済を回すための政策が始まり、世の中がコロナ前に戻りつつあるような感覚です。(飲食店と映画や観劇などで使えるバウチャーが一人100ドル分もらえました。)

 

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極寒のメルボルン旅行でヤラ・ヴァレーへ。

私個人が感じている不都合は、私が働いている飲食業界やホスピタリティ業界がひどい人手不足になっていることです。

今までは生活のために飲食店で働いていた学生さんたちがたくさんいましたが、鎖国によって入国できなかったりビザが切れたら帰国してしまい、どんどん働き手が減っています。募集をしても応募は少なく、あちこちで人を取り合っているような状況。

さらに海外に出ることのできないオーストラリア人は国内旅行や外食を楽しむため、ホスピタリティ業界はてんやわんやに。

やる気のある働き手にとってはやりたい仕事に就いたり、ポジションアップを狙えるチャンスなのかもしれません。でも私のようないちアルバイトかつ時間だけはあり、Noとは言えない日本人主婦は、意に反して労働時間がどんどん長くなり疲弊しています。

一年前の突然の一時解雇に比べたらかなり贅沢な悩みです。

 

2021.9.7 追記:その後、デルタ株の感染拡大により2021年6月下旬からシドニーは再度のロックダウンに入りました。かなり厳しい規制の下でも感染者はなかなか減らず、現在3か月目。ワクチンの接種率と共に規制が緩和されていくようです。

 

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ニューサウスウェールズ州オレンジへ初夏のワイン旅。かわいいブドウの赤ちゃん。

シドニー生活3年目の目標

1年目はとにかく英語に苦労して半泣きの毎日でしたが、2年目はコロナ禍ではあったけれどそれなりに充実した生活を送ることができました。

想定外の3年目をポジティブに過ごすために目標を立てました。WSETというワインの資格を英語で勉強する事です。今のところかなり楽しくて目標というかご褒美みたいになってしまってますが、「今日も勉強しなくっちゃ!」という気持ちのおかげでメリハリのある日々を送れています。

 

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晩夏のハンターヴァレー。たわわになったセミヨン。

あとは仕事に忙殺されずに、きちんと休みをとって国内旅行をすることです。州境封鎖に翻弄されて行けなかったタスマニアとバロッサへのワイン旅は必須、そしてできればウルルにも行きたいです。これも目標でなくご褒美でした。

ホームシックも将来への不安もあるけれど、前向きに過ごしたいと思う次第です。ブログもゆるゆると続けていきたいと思っています。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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パキンと真っ青な空もいいけど、雨のシドニーもなかなか風情があります。