先日、シドニーのとあるレストランで大変美味しい日本酒に出会いました。その夜お店の方にいただいた酒蔵のパンフレットの片隅に、「カナダでどぶろくを自家醸造」というお話を見つけました。「なんで今までこれをやらなかったんだ!!」と猛烈に後悔しながら急いで材料を集め、ついに私も初めてのどぶろく造りを開始。自家醸造が合法なオーストラリアならではの楽しみです。
どぶろく造りに必要な材料
手作りどぶろくについて調べ始めると、海外在住で自家醸造をしている方のブログをたくさん見つけました。いくつかのブログにお邪魔しながら、自分の作りやすい材料と分量で用意したのがこちらです。
- 米 1.5合
- 米麹 100g
- パン用ドライイースト 1.5g
- ヨーグルト 大さじ1/2
- 水 1L
この倍の分量で造っている方が多かったのですが、大きな容器がなかったのと、万が一失敗した時のことを考え少なめの量で造りました。結果これで1L強のお酒が絞れました。
米麹は日本食スーパーで1袋(200g)7~8ドルほど。ヨーグルトには、乳酸菌によって雑菌の繁殖を抑える効果があるそうです。酵母は近所でパン用しか見つからなかったのでそれを。うちの古いアパートの部屋付き酵母でも発酵始まったかなぁ。
それと、間違えて炭酸水を買ってしまい、なんと炭酸水で仕込みましたが成功しました。炭酸用ペットボトルが搾ったお酒の保管に向いているとのことで(搾ったお酒からもまだガスが出るから)、そのまま容器も使えて結果オーライでした。
どぶろくの造り方
1.炊飯器でお米を硬めに炊く。
日本酒を大さじ1入れると米の芯まで炊けるそうです。「硬めに」の水加減は、米1.5合に対して1合分の水です。
2.使用器具を煮沸消毒、熱湯消毒する。
3.炊いたお米を大きな器に移して、冷やした水を注ぐ。
家にあったステンレスのボールを使いました。蓋はアルミホイル。
4.温度の下がったお米&水の混ぜ物に、米麹、ドライイースト、ヨーグルトを入れてかき混ぜる。
米麹は板状だったので事前に手でほぐしました。
5.ふたをして常温で3~4日。1日1回かき混ぜる。
アルコール発酵によるガスが発生するので、密閉しないようにします。
6.良き所でお酒を搾る。
茶こしとおたまで複数回に分けて濾しました。布巾や網を使うと一気に濾せます。
自家醸造は何より衛生面が一番重要です。悪い菌が繁殖しないよう、使用器具はしっかり消毒をし、一日一回かき混ぜる時も熱湯消毒を必ず行いました。
どぶろくと過ごした7日間
仕込み日から一週間、どぶろく日記を付けました。
<1日目>
16:00仕込み終了。仕込み直後はパンの香りがしました。パン用ドライイーストを使ったせいです。
室温は23℃くらいでしょうか。2時間後にはもうプクプクと発酵が始まっていました。
<2日目>
まだ米麹と米粒の区別がつくけれど、粥状になってきました。味見してみると、すっぱいです。大丈夫でしょうか。
<3日目>
米麹と米粒がかなり混ざってきたように見えます。お酒の良い香りがします。推定アルコール度数8%。(ワインティスティングのアルコール度数はいつも外すので信じないでください。)
<4日目>
そろそろ出来上がりでしょうか。昨日とあまり変わらないような気がします。香り最高、味はやっぱり酸が強い。
<5日目>
ついに搾ります。香りは完璧に美味しい酒です。搾りたてのお酒は荒々しく酸味も強かったのですが、危ない酸味ではないのでそのまま少し置いてみることにします。1L強のお酒と約280gの酒粕ができました。
<6日目>
荒々しさが消えて落ち着いた味わいになりました。かなり美味しいです。いつもお小遣いで贅沢品の日本酒を買っていた夫も、「これはいいね!」と喜んでいました。推定アルコール度数12%。成功に違いない!
<7日目>
味わいの変化はあまりないので、フレッシュなうちに飲んでしまいましょうか。というかもうあまり残っていないので、次回はやはりお米3合分で造ろうと思います。
仕込み数時間後からプクプクと音を立て始め、仕込みのボールはほんわりと温かくなり、何度も蓋を開けては覗き込む4日間。なんだかいとおしい気持ちになりました。
オーストラリア人の友人に「SAKE造ったよ!」と話したら、「僕は実家でミード(蜂蜜酒)を造るんだけど、酵母とかここで買えるよ!」とこのお店を教えてくれました。水と酵母で味わいが大きく変わるはずなので、色々試してみたいです。
www.australianhomebrewing.com.au
楽しかったどぶろく造り!新しい趣味を見つけた気分です。