ひつじさんぽ

30代夫婦のシドニー暮らし × 留学・英語 × ワイン

西オーストラリア州ワイン旅 スワンバレー編 オリーブファームワインズ / ジョンコソヴィッチワインズ / アグリーダックリングワインズ

シドニーからインディアンパシフィック号に乗ってパースへ。2泊3日のパース滞在中に2つのワイン産地に行きました。最終日は飛行機の時間までスワンバレーのワイナリー巡りをしました。

 

⇩前日にはマーガレットリバーに日帰りで行きました

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

マーガレットリバー同様、この日もパースドリームトラベルプランナーさんに「4時間+空港送迎コース」でチャーターをお願いし、飛行機の時間ギリギリまでワインを楽しめました。

 

 

スワンバレーは、パース市内から車で約25分の場所にあります。40以上のワイナリーがあり、温暖な気候のもと造られるシュナン・ブランの白ワインや酒精強化ワインが有名です。温暖というか、夏季は40℃を超えるものすごい暑さと乾燥だそうです。

ブドウの生育期にはほぼ雨が降らず、年間降水量のほとんどが冬季(6、7月)に集中しています。私たちは前日からスコールのような雨に何度も遭遇しているのですが、一年の内の貴重な雨期だったわけですね。

 

Olive Farm Wines

www.olivefarmwines.com.au

 

ドリプラさんの貸切バンで朝イチに向かったのはオリーブファームワインズ。ここは90分間の畑&醸造所ツアーを行っているので選んでみました。ワインメーカーさんの案内で畑の見学からスタートします。

 

 

1829年設立の4世代続くワイナリーで、ブドウは全てスワンバレー産。酒精強化ワインも含め、40種類ものワインを家族で(時には小さな子どもも手伝いながら)造っているのだそうです。ブドウ生育期の暑さと乾燥が厳しいため灌漑は必須で、ドリップシステム(点滴灌漑)のついた美しく整えられた畑でした。

 

 

ふと垣根につけられたタグを見ると、同じシラーズなのに葉の色も落ち方も全く違う場所がありました。なぜかと質問すると、「あ、だまされちゃった?タグと樹の品種名合ってないのよ~!畑これだけしかないからみんな分かってるの!あはは~!」と豪快なお姉さん。この後醸造所内の見学も、他ワイナリーでの経験なども含めながら、分かりやすく面白く説明をしてくれました。

ワインメーカーのお姉さんの説明に何度も出てきたのが、「収穫したブドウはできるだけ素早く運んでワイン造りを始める」ということ。(収穫開始から絞り終わるまで3時間以内を目指すと言ってたかな。)なのでブドウのほとんどが機械収穫であり、ナイトハーベストも取り入れてブドウのフレッシュさを保っているそうです。そしてふと「ペットナット好きじゃない」と冗談交じりに話していたように、ワインの味わいはクリーンで、品種の特徴が際立ったものが多いように感じました。

 

 

機械でビシッと整備された醸造所だったのですが、なんとスパークリングワインだけは手作業でルミアージュ(ワインのボトルに角度をつけて澱を瓶口に集める作業)しているんだとか。「ジロパレット高いし、大した量じゃないから!」とのことで、ワインメーカーさんは毎日のルミアージュ時間を楽しみにしているそうです。

 

 

じっくり一時間以上の見学のあと、ティスティングルームへ。スパークリングワインから始まり、白、赤、ポートスタイルの甘口ワインまでたっぷりいただきました。楽しく気軽に飲めそうなほの甘スパークリングワインと、カベルネ・ソーヴィニヨンの2本を購入して、次のワイナリーへ向かいます。

 

John Kosovich Wines

johnkosovichwines.com.au

 

こちらは前日のドライバーさんおすすめのワイナリーで、当日予定に追加してもらいました。地下にある素敵なセラードアでティスティング。この地下室も暑さの厳しいスワンバレーでワインを守るために建設されたものだそうです。

 

 

今年100周年を迎えた家族経営のワイナリー。ここで造られるボトル熟成のシュナン・ブランは、Best Chenin Blanc of Australiaとして数々の賞を受賞しています。他のワイナリーで飲んだスーパーフルーティーなシュナン・ブランとはかなり趣が違い、時間の経過によるトースティーな風味とシトラスやリンゴのようなシャキッとした果実味が融合する複雑な味わいです。

 

 

シュナン・ブランはこの地に移り住んだ祖先たちが持ち込んだ大切なブドウであり、暑くて乾燥したスワンバレーの気候にぴったりなのだとワインメーカーのアーチさんがお話してくれました。「ハンターセミヨン」のように「スワンシュナン」としてたくさんの人に飲んでもらいたいなぁと思いました。シュナン・ブランの産地は南アフリカだけじゃないですよ!

 

 

ここではお気に入りのワインがたくさん見つかったのですが、配送スペースの関係で3本を選んで購入しました。冷涼な産地を求めて手に入れたペンバートン(マーガレットリバーよりもさらに南)の畑のピノ・ノワール、マルベック&プティ・ヴェルドのブレンドワインと瓶熟のシュナン・ブラン。毎晩飲みたいしみじみとした美味しさです。

 

Ugly Duckling Wines

www.uglyducklingwines.com

 

白鳥の谷にある「みにくいアヒルの子ワインズ」。食事ができるセラードアなので行ってみました。

 

 

チーズプラッターとビーフパイ、グラスワインで乾杯!ここで絶品のビーフパイに出会います。今までオーストラリアで食べたミートパイは数あれど、美味しいと思ったものはありませんでしたごめんなさい。しかしこのビーフパイ、初めて「わっ!うまい!!」と思ったのです。カウンターのお兄さんに「すごく美味しい!!」と伝えたら、ここのシラーズを使って近くのベーカリーに作ってもらっているとのことでした。また食べたい。

 

 

ワインは気楽に飲めるフルーティーな味わいで、ピクニックランチにぴったり。ワイナリー巡りの合間のワインランチに大変おすすめの場所でした。

 

 

ここでタイムアップ。買ったワインを12本箱にまとめ、郵便局に立ち寄ってもらいました。ワインたちとしばしのお別れをしてパース空港へ。「全然時間が足りないよ~!」と嘆きながら飛行機に乗りました。

行きは72時間かけて到着したパースですが、帰りは4時間半のフライトです。インディアンパシフィック号の中で進んだ2時間の時差を返し、22時半頃にシドニーに到着。5日前に出発したセントラル駅に降り立って一周したような気分になりました。

 

 

今は買ってきたワインを一本ずつ開けながら旅の余韻に浸る日々を送っています。旅から帰っても楽しいワイン旅。次の行先はタスマニアです!

 

西オーストラリアのワインさんたち、我が家へいらっしゃい