最近レストランで飲んだグラスワインがとても美味しかったお話です。
オーストラリアに来てからオーストラリアワインばかり飲んでいます。レストランのワインリストを見ると、生産者のことは分からなくても産地と品種で「ふむ、こんな感じか!」とざっくりつかめるようになりました。
ところが先日行ったレストランは、飲まずには味が想像できない少し変わったラインナップ。いつかどこかでまた出会ったらもう一度飲んでみたいワインばかりだったので、一つずつ調べてみることにしました。
こちらのレストランに行きました
ミルソンズポイント駅から徒歩2分。キリビリにあるBotanistというレストランです。半地下の隠れ家的な場所にあり、気になってよく覗いていました。
4種類のワインを飲みました
当初はボトルを一本注文する予定でしたが、グラスワインのリストが興味深くて色々飲んでみたくなり、2人で計4杯(+セミヨンのデザートワイン)をオーダーしました。
①La Violetta Ye-Ye Blanc 2017
品種のブレンドが面白かったのでオーダーしてみました。リースリング・ゲヴュルツトラミネール・ヴィオニエの3種で、後ほど調べるとそれぞれ88%・8%・4%のブレンド比率。
華やかでまろやかな感じかな…という飲む前の想像とは全く違った印象。ミネラリーで骨格がしっかりし、シャキッとした芯のある味わい。硬派なリースリングにアロマティック品種のスパイスが加わって、凛として美しいワインでした。
初っ端からグリルのエビなどを注文していましたが、もっと軽い前菜にすればよかったです。
西オーストラリア州グレートサザンでラ・ヴィオレッタという小さな生産者がこのワインを造っています。冷涼な地で造るこだわりのリースリングがとても美味しそう。モーゼルとアルザスのワインからインスピレーションを得たダス・サクリレッグというリースリングは日本にも輸出されているようです。見つけたら必ず飲みたいです。
ワイン通販サイトで約30ドル。vivino 4.2ポイント。
[ワイナリー公式ウェブサイト] La Violetta
2017 La Violetta Yé-Yé Blanc – Different Dropからお写真お借りしました。
②Albert Fresco 'Picnic Red' 2017
served chilledとメニューに書かれたこちらのワイン。シラーとピノ・ムニエのブレンドで、産地はRegional NSW。
分かったことは以上です。検索してもワイナリーのウェブサイトも出てこないし、NSWのどこで造っているのかも分かりません。(このネット時代にそんなことありますか!)シドニー市内のちょっとおしゃれなレストラン数店舗にオンリストされていました。
ピクニックレッドという名の通り、とっても親しみやすいワインです。ジューシーで軽やかで渋みもほとんどなく、始めの一杯にもいけちゃう。ピノ・ムニエのおかげなのか、ただ飲みやすいだけでなく味わいの奥行きも感じられます。少し温度が上がってからの方が美味しかったです。
謎の多いワインで気になって仕方がありません。何か知っている方がいたら教えてください!
今回行ったレストランBotanistがピクニックボックスを販売していて、それと一緒におすすめしているワインみたい。何やらラベルにはオウムみたいなイラストが見えます。どこかで見つけたら捕獲します。Botanist Picnic Packs - The Botanist Kirribilliからお写真お借りしました。
③Inkwell 'Infidels' 2018
お肉料理が運ばれてくる前に赤ワインを注文しました。南オーストラリア州マクラーレンヴェールのプリミティーヴォ。オーストラリアのプリミティーヴォを飲むのは初めてです。
ベリーのジャムと、インクみたいなツンとした香り。チョコレートみたいに濃いワインかと思いきや、フレッシュな甘酸っぱさが感じられました。梅ジャムみたいな感じもします。ジューシーで少しミルキーでかわいいプリミティーヴォ。18%はフレンチ&アメリカンオークの新樽で、残りはアメリカンオークの古樽で9か月熟成だそうです。
生産者インクウェルのホームページに訪問。ブドウ畑に四方を囲まれたモダンなセラードアが超クールで、ワイナリーステイができるホテルも併設されています。シンプルでミニマルな今どき感のあるおしゃれワイナリーです。
既に完売ですが、ワイナリーウェブショップで30ドル。vivino 4.2ポイント。
ワイナリーのホテルが素敵すぎる~!!お風呂に入ってブドウ畑を眺めながらワインを飲みたい。INKWELL WINES - McLaren Vale, South Australiaからお写真お借りしました。
④Jilly Wine Co 'Wine Wolf of Cumbria' NV
もう一杯オーダーしたのは、メルロー・シラーズ・タナというユニークなブレンドの赤ワインです。メニューを指差した瞬間、それまでおとなしかった女の子の店員さんに、「OMG!! It’s my favorite! Good choice!」と凄い勢いで言わしめた期待値大のワイン。
スムースなタンニンと程よい果実感で、後からくる土っぽい森の風味がたまらない。なんだかふるさとを思い出させる哀愁のようなものを感じて(私の故郷は茨城県の海沿いなのに)、しみじみと飲み干しました。赤身肉の炭焼きの香ばしさにもマッチして、かなり好き!!
どんな人が造っているかと調べてみると、ジリー・ワインのジャレッド・ディクソンさんは、ワイン造りを始める前はロンドンでドラマーをしていたファンキーなお方。ハンターヴァレーの北にある超マイナー産地ニューイングランドのワインレンジャーなのだそうです。
NV(ノンヴィンテージ)なのは、メルローとシラーズが2018年と2019年産で、18%のタナが2017年産のものだから。2020年の終わりにブレンドされ、無清澄・無濾過でボトリングされました。
ほとんど小売りでは出回っていないようで、一部ワイン通販サイトで約28ドル。vivino 3.9ポイント。
[ワイナリー公式ウェブサイト] Homepage - Jilly Wines
インパクトのあるオオカミのデザインなので絶対忘れない。見かけたら買う!NV Jilly Wine Co. White Wolf of Cumbria Red – Different Dropからお写真お借りしました。
レストランだからこそ出会えるワインの楽しみや、少し割高だけど何種類も飲み比べられるグラスワインのワクワクを改めて感じた夜でした。
現在シドニーでは、レストランとエンターテインメントで使えるバウチャーが市民に配布されています。一人あたり、ダインインのみで使える飲食店用が25ドル×2枚、映画や観劇に使えるエンターテインメント用が25ドル×2枚です。
日本のgo toキャンペーンみたいな感じでしょうか?週一はどこかしらで外食している我が家なので、さらに楽しみが増えて嬉しい限り!
(バウチャーは非永住者でももらえます。Service NSWでパスポート+運転免許証やフォトカードで申請可。)