ひつじさんぽ

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発酵おつまみとオーストラリアワインの会 in セントラルコースト

2022年4月30日(土)に、「発酵おつまみとオーストラリアワインの会」というイベントに参加しました。というのも、ワインを選んだのはまさかの私!セントラルコースト在住のともこさんという素敵な女性との出会いがきっかけで、今回この会を開くことができました。充実のワイン会のレポートを書いていきたいと思います。

 

 

お味噌の先生、ともこさんとの出会い

今年の2月末、普段は何の音沙汰もないブログのお問い合わせフォームに一通のメッセージが。セントラルコースト(シドニーとハンターヴァレーの間くらい)で味噌や麹、日本の家庭料理の教室を運営しているともこさんという女性から、「ワインと味噌系おつまみを合わせて簡単なレクチャーをしてほしい!」という内容でした。「話下手の私には無理かも…」とも思ったのですが、数時間考えた後にやってみようと決心!(ちょうどどぶろくを作りたいと思っていた時期で、麹や発酵というワードにすごい偶然を感じてしまいました。)

そこからzoomではじめましてのご挨拶、50通以上のメールと電話での最終打ち合わせを経て、当日ついにお会いすることができたのです。ともこさんが最初にたどり着いた私のブログ記事はワインとは関係のないもので、そこからワインのページに読み進めてくださったのだそう。ただただ趣味ブログを書き続けていた意味はこれだったのか!と、見つけてくださったことにとても感謝しています。また、WSETやMastering Australian Wineで学んだことが誰かの役に立てたことも嬉しかったです。

 

総勢7名のワイン会。参加者のみなさま持ち寄りのお料理も全部美味しかったです!

 

飲んだワインと合わせた発酵おつまみ

ともこさんから事前に、「ワインは好きだけれど結局いつも同じものを選んでしまうから違いを知りたい!」「オーストラリアワインの産地と品種の組み合わせを学びたい!」というお話がありました。そこから、代表的な産地×品種の組み合わせとそれに合いそうな食材や調味料を私が挙げ、ともこさんが実際のおつまみ候補をいくつか挙げながら試作をし、具体的なワイン名を決めるという方法で進めていきました。

そうしてできた組み合わせが7種類!白3種、赤3種、甘口1種のワインに、こだわりの自家製発酵調味料を使ったおつまみをマッチング。ワインは産地×品種のお手本のようなものを選んだつもりです。以下に一つずつリストアップしていきます。

 

 

1. Bird in Hand Sauvignon Blanc 2021 × 塩こうじモッツアレラ

パッションフルーツやグレープフルーツの香り溢れるアデレードヒルズのソーヴィニヨン・ブラン。ワイン自体が華やかなので、淡白なモッツアレラを塩こうじに漬けて旨味を増した味わいが良く合いました。そして決め手はともこさん宅のお庭から採ったバジル。ソーヴィニヨン・ブランのグリーンな香りにぴったり寄り添いました。後日のアンケートで一番人気の組み合わせでした。

Bird in Handは以前飲んだピノ・グリも美味しく、行ってみたいワイナリーの一つ。アートにも力を入れて若い芸術家のサポート等も行っており、ワイナリーにはたくさんの彫刻コレクションがあるそうです。

 

2. Pikes 'Traditional' Riesling 2021 × ライム塩入り白菜酢漬け

私の大好物クレアヴァレーのリースリングシトラス系の果実味と酸の美しさが際立つ繊細な味わいでした。そこに合わせたのはなんと白菜のお漬物!ザワークラウト × リースリングのイメージで作ってもらったのですが、ライム塩が良いつなぎ役になったのか完璧なマッチングでした。無限白菜withリースリングしてしまいそうな、私の一番気に入った組み合わせです。

クレアヴァレーの優良サブリージョン「ポリッシュヒルリバー」に畑を持つことで知られるPikesは、2021年が37回目のヴィンテージ。(あ、私と同い年。)このリースリングは、ここ10年で一番良い出来だったそうです。

 

3. Kilikanoon Mort's Reserve Watervale Riesling 2011 × 味噌漬けブリーチーズ

「熟成とは?」の良いサンプルになればと思い、我が家の紙製セラー(ダンボール)から持ってきた10年熟成のリースリング南オーストラリア州ワイン旅から連れて帰ってきた一本で、Kilikanoonのおじさんはこのワインを「マーマレードオンザトースト!」と表現していました。「樽?」と言った参加者の方がいたのですが(私も現地で同じこと言った!)樽は使っておらず、10年の時を経てまろやかさと厚みを増した素晴らしいワインです。打ち合わせなしで持ってきたワインだったのに、自家製ひよこ豆味噌に漬けて濃ゆい味になったブリーチーズがバッチリの相性を見せてくれました。

一つ前に飲んだPikesのリースリングも、10年以上の熟成が可能とのこと。$26のワインがこんなに美しく化けるなら10年待っても良いなぁと思ったりします。

 

ライム塩入り白菜酢漬け、いんげんクルミ味噌和え、塩こうじモッツアレラブロッコリーの醤油麹胡麻和え、梅醤油の玉ねぎとワカメの和え物

 

4. Stonier Pinot Noir 2021 × 梅醤油の玉ねぎとワカメの和え物

ヴィクトリア州のモーニントン・ペニンシュラより、エレガントなピノ・ノワールを。ラズベリーやチェリーのような果実味と、ほどよい酸味のあるピュアな赤ワインでした。玉ねぎやワカメといった食材がワインと合わせてどうかなぁとも思っていたのですが、梅を漬け込んだ醤油との酸味レベルが合っていた感じがして、違和感なくすーっと寄り添っていました。この後に続く2種の赤ワインも同じく、「ザ・和食!」な味わいがこんなにもオーストラリアワインにマッチするのが驚きでした。

Stonierのピノ・ノワールは、Mastering Australian Wine受講時に「might be the best value Pinot Noir in Australia」と習ったワインです。モーニントンペニンシュラはワールドクラスのピノ・ノワールが出来うる注目の産地なので、これから他の生産者のワインも飲んでみたいです。

ちなみに、ワイン単体で参加者の方々の人気No.1がこちらでした。みなさんピノ・ノワールの魅力に気づいてしまったなんて、完全にワイン沼に足つっこんじゃいましたね。(ニヤリ。)

 

5. Kalleske Clarry's GSM 2021 × いんげんクルミ味噌和え

バロッサヴァレーのGSMは、ワイナリー訪問で大ファンになったKalleskeを。開けたては少し曇った感じがしていたのですが、時間と共に明るくジューシーな香りと味わいが出てきました。ほどよくコクのある味わいで、グリーンのいんげんをまろやかに包み込んだ和え物とマッチしていました。GSM × お味噌、成功!

Kalleskeのワインは、手頃な価格でどこでも手が入りやすい上にフードフレンドリーで質が良いので、今後も事あるごとに選んでいきたいです。

 

6. Leeuwin Estate Prelude Cabernet Sauvignon 2018 × ブロッコリーの醤油麹胡麻和え

マーガレットリバーのトップワイナリーLeeuwin Estateから、重すぎないカベルネ・ソーヴィニョンを選びました。「ミニ・ボルドー」と言われるマーガレットリバーは、クナワラのどっしりとした(どろりとした?)カベルネとは一味違い、ボルドーワインのようなクールなイメージがあります。私はブルーベリーやドライハーブの風味を取りました。重厚感や複雑味のあるカベルネを和食と合わせるとどうなるか、一番興味がありました。

そこでともこさんが提案してくれたのが、醤油麹。今まで醤油麹を作らずに割高な日本のドレッシングを買っていたのを後悔するくらい、もの凄く美味しい調味料でした!コクや旨味がしっかりあって、カベルネ・ソーヴィニョンにも全然負けないです。お野菜のお料理でもこんなにしっくりきてしまうとは、と発酵調味料の奥深さに驚きました。

 

ここまでで赤3、白3を飲み終わり、お腹も満たされてほどよく酔いの回った私。少し温度のあがったPikesのリースリングを、ひよこ豆の自家製味噌をちょびっと食べながらチビチビ飲む楽しみを発見してしまいました。

 

7. Stanton & Killeen Rutherglen Muscat × ココナッツクリームのカカオアイス

デザートタイムには、ヴィクトリア州ラザグレンのフォーティファイドミュスカを飲みました。なかなか皆さん飲まないだろうなと思いあえて選んでみたのですが、予想以上に反応が良くて嬉しかったです。

ともこさんからココナッツクリームで作るアイスクリームのお話を聞き、ココア多めで作ってほしいとお願いしたのが今回のデザート。デーツやナッツを使ったアイスクリームは、同じ風味の要素があるラザグレンマスカットにもちろんピッタリと合い、素晴らしい会の締めくくりとなりました。

 

大豆の味噌、ひよこ豆の味噌と麹のお土産をいただきました!これで醤油麹と塩麹を作ります!!

 

発酵おつまみとオーストラリアワインの会を終えて

5時間にも及んだ今回の会(当初の予定は2時間でした…!)、ワインは時間を忘れさせてしまうんだなぁと思うほどあっという間でした。参加者の方々の率直な質問や感想を聞くのも新鮮だったし、後日「一番好きだったワインを買ってみました!」というような声もあり本当に嬉しい限りです。

そしてオーストラリアワインってすごくフードフレンドリー!ということも改めて感じました。オージービーフとシラーズももちろん美味しいのですが、繊細な味付けの和食やお野菜料理、味噌や醤油としっくりくることも分かり、ますますおうち飲みの楽しさが広がりそうです。

それと個人的なことを言うと、私はワインが大好きで資格を取ったりもしたけれど、今までアウトプットや発信をする勇気がなかったのです。今回ともこさんの人脈と行動力に便乗する形でこのような機会をいただき、自分にとって大きな一歩となったことを実感しています。

ともこさん、参加者のみなさま、本当にありがとうございました。

また飲みましょうね~♪

 

当日の会の様子がともこさんのインスタにもアップされています。書家としても活躍されているともこさん。インスタを拝見して、シドニー市内で見かけるあれもこれも「えええー!!ともこさんの作品だったのねー!!!」と大変驚きました。

 
 
 
 
 
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