前から行きたいと思っていたフィッシュ&チップス専門店の窓際席で、外を眺めながらランチをしていた日のこと。
人からちらりと聞いて気になっていた酒屋さんがすぐ目の前にあったことに気付きました。そして食後に訪れたその小さな酒屋さんで、ずっとずっと飲んでみたいと思っていたヤウマのワインを見つけました。
日常の小さな希望がいくつか叶った幸せな一日。
Jauma 1000 Fires 2020
一本一本が個性を主張してくるナチュラルワインばかりが並ぶ棚。飛びつくように取り上げたのは、ヤウマのサウザンド ファイヤーズ 2020です。日本でも超人気の生産者で、ワインショップも軒並み完売でした。
ブドウ品種は、シュナン・ブランとミュスカのブレンド。王冠だけど発泡なのか。甘いのか、辛いのか。まるで未知。
一晩冷蔵庫で冷やし、翌日ウキウキと開栓しました。
最初の香りは、熟したりんごの香り。シードルみたいな香り。そして粘土のような印象も少し。
一口飲んでみると、想像と違って酸とミネラルでぎっしりしています。堅牢だ、と言ってしまいそうなくらい骨格のしっかりとしたワインに感じました。栓が王冠でしたが、発泡はほぼありません。
ブルンブルンとグラスを回してゆっくりゆっくり飲むと、パッションフルーツみたいな果実味がニョキッと出てきたような。でも親しみやすい味わいというにはほど遠く複雑で、時間を置いたらどうかと思い数日に分けて飲んでみることにしました。
徐々に果実味の面積が広がってくるものの、4日目まで酸とミネラルが非常に豊か。染み渡るように余韻のなが~いシリアスな味わい。
難解すぎて上手く言えない。超人気生産者ヤウマなのに、あんなに飲んでみたかったのに、これ一本では全然分からない。自分の感性を呪い内心焦っている私の横で、夫は言ってのけました。
ヤウマ!激ウマ!
ヤウマについてたくさん知りたい
それでも気になって仕方のないヤウマ。公式ウェブサイトを見てみると、これまた不思議感満載です。
なんなら訪問してみるか!とも思ったけれど、ワイナリー見学のような情報も一切なく、なぜか「サクランボ摘みに来ませんか?」というページを見つけました。
日本のオンラインストアの基本情報もほぼ読み尽くした頃、豪ナチュラルワインのプロフェッショナルRyojiさんのブログ記事を見つけました。
Ryojiさんがヤウマの当主ジェームス・アースキンさんを訪ねた時のお話が、めーちゃくちゃおもしろい!!
例えば私が疑問に思った、
- 発泡してないのになんで王冠なのか
- なぜチェリーファーム?
- 日本で人気になったきっかけ
- 一般人の訪問など難しいわけだ
などを知ることができ、また、ジェームスさんの人柄を垣間見てもっとヤウマのワインを飲んでみたくなりました。そして、まさに一期一会なんだろうなぁ、と次に巡り会える時が楽しみになりました。
Ryojiさんが「沢山の人に読んでいただきたいのでシェア、ツイートは大歓迎です。」と書いてらっしゃいますので、勝手にシェア致します。ヤウマファン必読です。
今回もつくづく思いました。ワインの世界は深すぎて広すぎて果てしないと。
知識を深めるための学びを続けつつ、未知との遭遇も楽しめるような余裕を持っていたいと思います。本当にまだまだ何も知らない、でもそれでいいです。
またヤウマのワインにどこかで出会えるといいな!