ひつじさんぽ

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タービルク ヴィオニエ 2019*美味しいヴィオニエにありつけた3日目の幸せ【ワイン日記】

ヴィオニエがどうしても飲みたくなったある日の話。

朝食を食べながらtwitterを見ていると、お気に入りのワインアカウントがヴィオニエの話題を出していました。

家を出ていつも通勤時に聴くポッドキャストを開くと、テーマがヴィオニエ。

その夜勤務先のレストランでは、美食家風のおしゃれなお姉さんが仕切る4人組の席で、

「Guys! 今夜はピノ・グリ?ヴィオニエ?どっち?」

「ヴィオニエ!」(即答で満場一致。)

と、普段は月に一本選ばれれば万歳なヴィオニエが満を持して旅立ちました。

こんな一日を過ごし私の頭と舌はヴィオニエ一色に。これがカラーバス効果というものなのかと考えながら、オーストラリア産ヴィオニエを探しにワインショップへ出かけて行きました。

多くはないラインナップでしたが、素晴らしいヴィオニエを見つけることができましたよ。

 

Tahbilk Viognier 2019 

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産地 ヴィクトリア州
品種 ヴィオニエ
生産年 2019
タイプ アロマティックで力強い
価格 23AUD

 

開けたては、オイリーな香りを一番強く感じました。果実の香りもするけれど、何か膜で覆われているような突き抜けない印象。口に含むと、やっぱりオイリーさを感じます。

南フランスの白ワインを思わせるマロマロっとした味わいと感触です。舌触りも少しトロリとし、グラスをつたうワインを見て、粘性がとても高いことも分かりました。

このまろやかさも良いけれど、予想していたのと違ったので、この日は深追いせずに冷蔵庫で寝てもらいました。

私の勤務先に置いているヴィオニエは、開けたてからトロピカルフルーツみたいなアロマティックな味わいが特徴的だったので、それを期待していたのです。

 

翌日もう一杯飲んでみると、「おや、もしやこれは…」と思い、試しにもう一日寝てもらったら完全に脱皮しました。初日には閉じこもっていた香りや果実感がはっきりと現れ、甘美な白ワインに。

甘酸っぱくて香り高いフレッシュのアプリコットや、丁寧に造られた梅ジャムを思い出させる味。品のある果実味とのびのびとした酸が、舌の隅々まで染み渡るようにとっても美味しいんです。

やっと会えたね、という満たされた気持ちで3日目で飲み干しました。

 

ヴィオニエという品種について

winefolly.com

 

ヴィオニエを飲む上で欠かせない産地は、フランスのコート・デュ・ローヌ。

コンドリューやシャトー・グリエというワインが有名ですが、どれもファンシーなワインなので、飲む機会はなかなか訪れません。

その他にもオーストラリアやアメリカ、南アフリカなどの温暖な地域で造られていて、それらのヴィオニエは比較的カジュアルに楽しめるものが多いです。

 

オーストラリアでのヴィオニエの立ち位置はどんなものかと、現地ワインサイトをいくつか回ってみました。

  • シラーズとブレンドするコート・デュ・ローヌスタイルで造る生産者が多い。
  • 一大産地は南オーストラリア州のバロッサ。1980年代に初めてヴィオニエが植えられた。ヤルンバのヴィオニエがオーストラリアヴィオニエの先駆的存在。
  • 新注目産地はオーストラリアの首都キャンベラ。クロナキラのヴィオニエがスーパースター。
  • 近所のワインショップでは南仏のヴィオニエしかなく、2軒目では1本だけ見つけたので、まだまだ市民権は得ていないような気もする。(私調べ)
  • 来週訪問予定のニューサウスウェールズ州オレンジというワインリージョンでもヴィオニエが多く生産されているようなので、たくさん飲んで来ようと思う。(調査予定)

 

移民が多いシドニーはアジア料理・エスニック料理店が立ち並び、アロマティックなヴィオニエに合いそうな料理がたくさんあります。昨日チキンのタコスを食べたら唐辛子マーク一つなのに激辛で、3日目のヴィオニエワインを心底欲しました。

ヒリつく舌に、ひんやりトロリと染みていく甘やかなヴィオニエ、絶対合うはず。オーストラリアで、もっと人気が出ても良さそうなブドウ品種だと思ってます。

 

生産者TAHBILKについて

www.tahbilk.com.au

 

ヴィクトリア州で1860年設立のタービルク。5世代続くワイナリーで、5代目が私と同じ生まれ年の素敵な女性だったので勝手に親近感。

2012年からカーボンニュートラル認定(※)を受けているワイナリーでもあります。

※生産における二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になること

 

ブドウ品種や環境について幅広く書かれたワイナリー運営ブログは、読み応えがあってとても面白い内容です。

Tahbilk Insiders Guide | The best of Tahbilk Winery

 

そしてこのワイナリー紹介ムービーが美しく、飛んでいきたくなりました。ぜひご覧ください。

 


Family Winemaking Heritage

 

タービルクはマルサンヌの評価も高く、コート・デュ・ローヌに思い入れのあるワイナリーなのだろうなぁと思います。

 

マルサンヌも飲んでみる!

 

無事に美味しいヴィオニエに巡り会えて幸せです。

お読みいただきありがとうございます。