我が家の普段飲みワイン1本あたりの予算は20ドル。(日本円だと1600円程)
先日はボトルショップで缶ワイン2本を手に取り、それで既に16ドルになってしまいました。
アルコール8.5%のピンクとブルーのかわいい缶を見つめながら、「これを飲み終わったらその足で再度ボトルショップに向かう羽目になるだろう」と思い、「10ドルまでならもう1本買って良し」の特別ルールを設定。
そしてジャスト10ドルで購入した赤ワインが、10ドルとは思えない美味しさと壮大さを備え、不思議体験をさせてくれたワインだったのでご紹介したいと思います。
Taylors One Small Step Cabernet Merlot 2018
産地 | 南オーストラリア州 |
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品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン メルロー |
生産年 | 2018 |
タイプ | 濃厚で力強い |
価格 | 10AUD(元値12AUD) |
ブルーベリージャムのような濃ゆーい味。トロリと濃厚でまろやかな甘みが口いっぱいに広がります。後味にはコーヒーのような香ばしさ。
シンプルな味わいで、おつまみがなくてもそのまま飲んで美味しいです。面白味や複雑味には欠けるかもしれませんが、きっと誰もが美味しいと思える安定ワイン。
これが10ドル(700~800円)というのは、かなりの高コスパだと思います。
「テイラーズって大規模ワイナリーだもん、低価格帯ワインでもさすが美味しいな。」くらいに思ってホームページを見ていたら、今私が勉強中の「エコ」への取り組みがかなり進んだワイナリーであることが分かり、夢中で読みました。
テイラーズワインズについて
[公式HP] https://www.taylorswines.com.au/sustainability
ホームページの中では、サステナビリティ(=持続可能な事業運営)について広いスペースを取って説明されています。テイラーズワインのゴールは、「サステナブルな事業活動と製品に卓越したオーストラリアで最高のワイン会社になること」だそうです。
サステナブルな活動は多岐に渡り具体的に紹介されていますが、ワイン生産に特化した取り組みが興味深かったです。
一例を挙げると、テイラーズワインズは、環境に配慮した軽量ガラス瓶をオーストラリアで最初に導入したワイナリーの一つだそうです。従来品よりも約40%軽量化され、ボトル1本あたりの二酸化炭素換算排出量を15%削減。
その他にも様々な技術を駆使して、リサイクルや節水、有機栽培を進めているそう。エコというと、小規模生産や手作りなどがイメージとしてあるかもしれません。しかし経済力や技術力を駆使して大幅な発展ができることも、大規模ワイナリーの強みだと思いました。
テイラーズのような大会社がワイン業界のサステナビリティを率いてくれたら素晴らしいな、と思います。「買い物は投票だ」と言いますから、こういった背景がある企業は信頼ができますね。
ラベルに描かれた月・宇宙船・ブドウ畑の意味と不思議体験
このワインを選んだ理由は、冒頭に書いた通り10ドルだったことと、ラベルデザインが気に入ったことです。月と宇宙船とヴィンヤードの可愛らしいイラストが描かれています。裏面にその意味が書かれていました。
1969年7月20日は歴史上重要な日です。宇宙飛行士のニール アームストロングが月面に一歩踏み出した日であり、ビル テイラー(Deputy Chairman)が、後に家族の大切なブドウ畑になる地に初めて足を踏み入れた日でもあります。一人は不毛の月面を踏み、もう一人は豊かなテラロッサの土壌を踏んで、世界最高のワインに匹敵するワインを造るという希望と決意を持っていました。
あまりに壮大なので「本当なのか?」なんて思いながらグーグルフォトをスクロールしていたところ、 私がこのワインを飲んだのが7月20日だったことに気付いてゾクッとしています。
なんとワインログ映えする展開。
普段は行かないワインショップに行ってみたし、普段は飲まない缶ワインに手を出してみたし、本当はこのワインに引き寄せられていたのかも、と物凄く不思議な気分です。やっぱりワインには神秘が潜んでいる、と思わずにはいられない体験でした。
お読みいただきありがとうございます。