鮮やかなオレンジ色のラベルに魅かれ選んだこの赤ワイン。カンタス航空のビジネスクラスで使われているとのこと。気分はビジネスクラスで空の上、期待値大で飲んでみました。
Hesketh Ebenezer Grenache Barossa Valley 2018
産地 | 南オーストラリア州 バロッサヴァレー |
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品種 | グルナッシュ |
生産年 | 2018 |
タイプ | 濃厚で力強い |
価格 | 26AUD |
グラスに注ぐと、向こう側が透けて見えるほど淡い色合い。
ベリー系とオレンジの香り、アルコールが強く効いていそうなチョコレートの香りもします。(私の低い語彙力と表現力ではうまく言えずテクニカルノートを見たら、「ラム・レーズン」と書いてあり、先日食べたラムレーズンチョコを思い出したんだと納得しました。)
一口飲むと、まろやかで甘~いフルーツ感。適度な酸と樽由来の上品な香りに支えられ、次々と何口も飲みたくなるような魅惑の味。
そして、時間が経つにつれ強く感じたアルコール感は落ち着き、革などの獣っぽい香りが出てきました。ラム肉が食べたくなる味です。
私のイメージですが、グルナッシュは一本でいろんな表情が楽しめて、お得感満載。なんだかしばらくグルナッシュにハマってしまいそうです。
Ebenezer エベニーザーとは?
難しそうな発音の単語が2つ並んでいます。
HeskethとEbenezer。
カタカナにすると、「ヘスケス」「エベニーザー」で良さそうです。
◆Heskethはワイナリーの名前
半世紀近くワイン造りを行ってきた家族経営の生産者。家長ロバートさんを先頭に、ブルゴーニュや南フランスから、イギリスや北米、ニュージーランドなど世界の様々なワイン産地で仕事をし、暮らしてきたそうです。
その後、オーストラリアでワイン醸造技術やマーケティングで活躍。50年という歳月はワイン業界では長いとは言えないけれど、「何歳になったかではなく、どれだけの距離を走ったかが重要だ」というのがモットーだそう。
[ワイナリー公式HP] https://heskethwinecompany.com.au/
◆Ebenezerは小地区の名前
今回のワインは「サブリージョナル・トレジャー」というシリーズで、小区画とその土地がワインの風味に与える複雑な影響を楽しむというテーマで造られました。
バロッサヴァレーは豪州最大のワイン産地・シラーズの名産地として有名で、豪快なイメージもありますが、近年は土壌の違いを大切にする生産者が増えています。
2008年からは「バロッサ・グラウンド・プロジェクト」という土壌を識別しサブリージョンを定義する調査活動が始まりました。
このプロジェクトでは、バロッサを3つの地域に分け、以下のようにシラーズの特徴を表現しています。
- 北部…凝縮して豊満
- 中部…ソフトでおおらか
- 南部…香り高くエレガント
現在では13ものサブリージョンがあるのだとか。
そして、今回のワインの産地であるエベニーザーに関しての表記を見つけました。
安定した品質で知られる赤土の土壌
エベニーザーはバロッサの北端に位置し、地元では「エベ」と呼ばれることもあります。この地域の特徴は、バロッサの他の起伏の激しい地域では見られないような、広く平坦なブドウ畑です。
エベニーザーの平原は、特に夜間が寒く時折霜が降りることもあります。この気候と、堅実な深みとテクスチャーを持つ土壌は、豊潤な味わいと繊細なタンニンを持つワインを生み出しています。
また、バロッサに植わっているグルナッシュの樹は世界で最も古いものの一つだと言われています。今回のワインに正確な樹齢の表記は見つけられなかったのですが、世界でも数少ないフィロキセラ未侵入の南オーストラリアは、170年に及ぶ樹齢のブドウ木も存在するそう。
樹齢何年から「古木」を名乗っていい、というような規定はありませんが、フランスでは一般的に30年以上のものを指すことが多いので、170年とは物凄い。
まだまだオーストラリアワイン経験値が浅く、今までは「小区画とその土地がワインの風味に与える複雑な影響を楽しむ」余裕はなかったのですが、これからバロッサワインはサブリージョンに着目して選んでいきたいです。
そういったこだわりを持つにあたり、二人きりの家族会議の結果、我が家のワイン予算は現行の20ドル⇒25~30ドルへとアップしました。
お読みいただきありがとうございます。
[参考HP]
*バロッサワインについて⇒Barossa Wine – Vineyards – Winemaking – Barossa Wine History
*グルナッシュの古木について⇒https://nichigopress.jp/gourmet/wine-guide/129472/