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ツイル&デイジー ピノ シラーズ 2019 *オーストラリアの伝統ブレンドだった【ワイン日記】

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少し和風な可愛らしいラベルに魅かれて手にしたワインです。

ワインラバーのみなさまは、シャンパーニュや一部のスパークリングワイン以外で、ピノノワールに何かブレンドするワインって馴染みはありますか?今回のワインは、ピノ・ノワールとシラーズのブレンドでした。

 

Twill & Daisy Pinot Shiraz 2019

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産地

ニューサウスウェールズ州

マレー・ダーリング

品種 ピノ・ノワール/シラーズ
生産年 2019
タイプ 濃厚で力強い
価格 14AUD(定価18AUD)

[生産者HP] Twill & Daisy – Twill & Daisy

 

キャンディーのような甘くて親しみやすい香りと、シナモンのようなスパイシー感が少し。ブルーベリージャムのような濃くてまったりとした果実味が口いっぱに広がります。まろやかでミルキーな印象もあり、渋みよりも酸味よりも、とにかくあまーいフルーツ感いっぱいの味わいでした。

おつまみはなくてもワインだけでスイスイ楽しめます。もしくはソファーに寝そべってチップスやチョコレート食べながら、「おやつワイン」にしたいです。

 

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孤高の品種ピノ・ノワール

下記は、日本のトップ・ソムリエ石田博氏のピノ・ノワールの解説です。 

ピノ・ノワールの味わい
決してフレンドリーではなく相性の良さを求めないため、ブレンドされることはほとんどない孤高の品種。口中で浮かび上がるような、心地よい広がりのある味わい。渋みはとてもきめ細やかで緻密。ビロードやシルクのような心地よい触感が特徴。

引用:石田博氏が解説する ブドウ品種で選ぶ赤ワイン ワイン通販ENOTECA(エノテカ) 

 

基本的には誰とも混ざることのない、女王様のようなブドウ。そんなクイーンに魅了され、たくさんのお金をつぎ込む人々が世界にはたくさんいます。(私も含め)

しかし今回飲んだピノ・ノワール(&シラーズ)のワインには、気難しさはまるでなし。チャーミング、フレンドリー、キュート>、などの単語ばかりが浮かんできます。

 

ピノ・ノワールとシラーズのブレンドはオーストラリアの伝統だった

やはり「ピノ・ノワールを何かとブレンドする」というのはかなり珍しい手法であることは間違いないです。私の知る限り、シャンパーニュ、スパークリングワイン、ガメイとブレンドするブルゴーニュ・パス・トゥ・グランくらいでしょうか。 しかし、オーストラリアのワイン情報サイトを調べていくと、ピノ・ノワールとシラーズという一見異色のブレンドは、ハンター・ヴァレーの伝統手法であることが分かりました。

Different Dropというサイトの記事The Return of Australian Pinot Shiraz Blends Newsによると、このブレンドは流行の再来であるというようなことが書いてあります。1950年代、60年代にはハンター・ヴァレーのワインの多くは、シラーズとピノ・ノワールブレンドでしたが、いつの間にかこのパートナーシップは流行らなくなってしまいました。そのうちにオーストラリアは、単一品種のワイン造りに夢中になっていきます。

オーストラリアの赤ワインには「フルボディこそ良い」という考えがあり、シラーズとピノが造るミディアムボディで香り高いスタイルは、あまり需要がありませんでした。現在オーストラリアのワイン愛好家が、より生き生きとしたスタイルの赤ワインを求め、このブレンドが復活。

ヤラ・ヴァレーやアデレードヒルズのような場所は、このようなブレンドの生産に理想的な場所で、今では多くの生産者がこのブレンドに注目しています。実際、先に紹介したサイトでは、ピノ・ノワールとシラーズブレンドのワイン6本セットも紹介されています。 

調べる前は「このブレンドもきっと新しいことをやりたい生産者が作ったユニークなワインなのだろう」と思っていました。1950年のことなので、オールドワールドワインに比べれば伝統と呼ぶには及ばないのかもしれませんが、こんな背景があったなんて突然このワインがいとおしい。どんな気難しいブドウだって懐の深いオーストラリアにかかればすんなり馴染めちゃうんだよ、というようなこの国らしさを感じてほっこりしました。
ピノ・ノワールブレンドなんて邪道でしょ!」と思わずに、見つけたらぜひ一度試してみてください。肩肘張らずに楽しめる、とってもかわいいワインです。
 

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⇩日本ではなかなか見つかりません。こちらはとても美味しそうだけどシラーズ比率が高くフルボディに近そうで価格も高い…
 
日本で買えるピノ・シラーズブレンドをご存知の方、ぜひ教えてください。