オーストラリアに来て最初の挫折、RSAに落ちた時のことを書いてみます。同じ経験をした方には慰めになれば、これから受ける方には気を付ける点をシェアできればと思います。
- RSAとは?
- コースの流れと当日の様子
- 落ちるほうが難しい試験にどうやって落ちたか
- 落ちるほうが難しい試験に落ちた私の心境
- RSAに落ちたらどうするのか
- RSAに落ちないためにはどうしたらいいか
- 反省と教訓
RSAとは?
オーストラリアには、RSA=Responsible Service of Alcoholという資格があり、レストランやカフェなど、お酒を扱うところで働く場合には絶対に必要になります。お酒の特性を理解し、酩酊状態のお客さんやお酒を購入しようとする未成年者への対応等を学びます。
シドニーに暮らし始めて約2か月後、2019年7月初めにRSAの半日クラス+受験に行きました。ある学校に申し込んだのですが、なぜそこに決めたかというと「落ちるほうが難しい」と話題の学校だったからです。
語学力がなくても大丈夫、先生がとても優しく答えを教えてくれる、他の受験者と仲良くなって答えを見せてもらえる、などの情報が多く、完全に油断した状態で会場に向かいました。
コースの流れと当日の様子
半日コース+受験はこのような流れで、時間は8時半~15時半位でした。
出欠確認
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スライドを見ながらの授業 必死に板書し写真を撮る
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昼食
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先生の質問に口頭で答えながら進む授業
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試験 約1時間半
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その場で採点され、合格か不合格が決まる
まず、前情報と違ったことは、先生は全く優しくなかったです。とても早口で、時間がないからどんどん進むと言い、終始イライラしていました。
「先生の質問に口頭で答えながら進む授業」というのは、あるシーンに沿ってどのような対処をしたらいいのかを、手を挙げて答えていくものです。一人一つの回答が求められ、答えられた人は一抜けできます。
そのシーンは、
- バーで働いていて、かなり酔っているお客さんがさらにお酒の注文をしようとした時どうするか
- バーカウンターで酔いぎみの女性のお客さんが突然泣き出したらどうするか
- 大人数の若者グループが人数以上のお酒を欲しがっている時にどうするか
といったものでした。積極的な生徒から終わり、早く進めたくてイライラしている先生のヒントでなんとか全員が答え終わりました。
落ちるほうが難しい試験にどうやって落ちたか
私はソムリエ資格を持っており、しかもかなりの高得点で合格したという自慢話があります。今まで試験という試験すべて一発合格、落ちるという経験をしたことがなかったので、今回もなんとかなるだろうと思ってました。
試験は板書したノートを見ながら記述していきます。書いたノートと見比べながら、何を質問されてるのか英語が理解できないものもいくつかありました。
徐々に先生の前に人が並び始め、早い人は30分ほどで合格をし、丸付けの後にもう一度直して合格している人もいました。私がやっと先生に提出できたのは、時間ギリギリになってから。ここを直して、と言われた所を書き直して提出したのですが、もう遅いとのことで落ちました。
「答えは見せてもらって大丈夫」という情報をどこかで見たであろう後ろの人が、隣の人の答えを写していたのを見て先生は激怒していました。その日はとても混んでいて、クラス内に50人以上いたと思いますが、3分の1くらいは落ちていました。
要するに、私が落ちた理由は、
- 完全に油断していた
- 英語力が足りていなかった
- 時間配分ができなかった
ことです。
落ちるほうが難しい試験に落ちた私の心境
最初は腹が立ちました。「みんな受かるから大丈夫だよ」と言った夫や、なぜかすごく厳しい先生だった運の悪さや、丸一日無駄にしてしまったことに対して。いい大人が完全に不貞腐れていました。
でも帰宅してしばらくすると、全部人のせいにしていることに急に恥ずかしくなり、海外暮らしスタートの洗礼を受けたのだと思いました。「こんな心構えではこの先いろんなことに躓くよ」と言われているような気がしました。
RSAに落ちたらどうするのか
無料の再試験制度がありました。その日のうちに希望日のメールが来たので、候補日を入れて返信。2日後にまた同じ会場に行きました。
再試験もノートや資料を見ながら記述していくものでしたが、当日よりも難しく量も多かったです。制限時間はなかったのでかなり長い時間をかけて取り組みました。これでダメならもう一度お金を払って再受験になると言われ、絶望的な気持ちで帰宅しましたが、翌日に合格通知を受け取ることができました。
再試験がどんなものか分からなかったので、私は家で勉強とノートまとめを必死にやって臨みました。夫は泣きべそで勉強する私を見て「無責任な発言して悪かった」と手伝ってくれました。
RSAに落ちないためにはどうしたらいいか
簡単に受かる人もいるのでなんとも言えないのですが、私の経験から言えるのは以下のことです。
- 誰でも受かるわけではないと心構えをし、油断しない。
- とにかくノートをとることが大切なので、到着したらガシガシ板書できる環境を整える。(机も狭いので荷物は少なく行ったほうがいい)
- ランチは外に出なくていいよう持参しサクッと食べたら、周りの人にノートを見せてもらって不完全なところを埋める。(これはカンニングにならない)
- 電子辞書などの辞書機能は必須。(試験中に使っても何も言われなかった)
- 試験中は時間配分を考え、不完全でも早めに先生に見せればヒントをくれるかも。
- 当日試験コースではなく、オンラインコースを利用してじっくり時間をかける。日本で取得してから渡豪すればかなりスムーズですね。
英語に慣れていれば簡単に合格する試験なのだろうと思います。履歴書を作る前にこの資格が必要で、到着して間もない時に受けなければいけないので余計に大変な思いをするのでしょう。
反省と教訓
この試験に落ちるまで、私はシドニーでの生活を自分事として考えていなかったような気がします。夫がいるから大丈夫かなと思ったり、今までの経験でなんとかなるだろうと油断したり。なので、この後は何事も気を抜かず、できる限りの準備をするようになりました。
語学学校のプレゼンテーション、仕事の面接、働き始めて仕事を覚える時など、日本ではなんてことなかったことも、なんとかなるとは決して思わず事前に練習をたくさんしました。せっかくのオーストラリアなのに全然「Take it easy!」じゃないのですが、初心に返り自分の弱点に気づけたことは良かったのかなと思います。
まだこの先も続くオーストラリア生活、新たな試練があるかもしれないので、この時の教訓を忘れずに過ごしていきます。