英語の発音に関するお話です。
シドニーにはManly beachという物凄く有名なビーチがあり、カタカナでは「マンリービーチ」と書かれています。夫が同僚数人と「マンリービーチに行ったよ!」という話をしたら、全員が「えっ?どこどこ??」と頭にハテナ。一生懸命説明し、そのうちの一人が「あぁ!メンリービーチ!」と言ったそうです。
誰もが知っている固有名詞すら伝わらないこともあるのです。そんな話に笑っていたら、私も仕事中に驚きの体験をしました。「耳から聞いた音をそのまま発音する」ってこれなのかと。
ある日一度で通じた言葉
私はシドニーのホスピタリティ業界で働いています。ある日お客様から飲み物の注文を受けました。
お客様「ベジマリある?」
私「すみません、もう一度言っていただけますか?」
お客様「ベジマリ。ほら、トマトジュースで作るあれ!」
私「確認して来ます。」
困った私はバーテンダーのところに行き、お客様が「ベジマリ」を欲しがっているということを、聞こえた通りに伝えました。カタカナで書くならば「ベジマリ」とその時の私には聞こえたのです。
バーテンダーは「すぐできるよ!」と言いました。ええええ~!!一度で通じた!!バーテンダーに「ベジマリって何?」と聞くと、ゆっくり言ってくれました。
ヴァージンメアリー Virgin Mary
カクテル「ブラッディ―メアリー」からウォッカを抜いたノンアルコールカクテルです。この時に目からウロコがボロボロ落ちて、耳から聞いた音をそのまま発音するのって本当に大事なんだと感動しました。この時を機に、私の勉強は聞く→口に出すが基本となっています。
慣れと開き直りも大事
もう一つ、多国籍な会社で働いて気づいたことがあります。
国籍の入り乱れる社内では、様々なアクセント・イントネーションの英語が飛び交っています。同僚たちの会話の中でも、発音が分からなくて聞き返す、という場面をよく目にします。でも、聞き返す方も聞き返される方も気にしている様子は全くなくて、言い直すのも慣れたもんです。
時々はそんなやり取りがありつつも、コミュニケーションはかなりスムーズ。そんな風景を見て、一つの作戦を立てました。よく会話をする相手には、積極的に喋りまくって自分の発音に慣れてもらう、という他力本願で雑な作戦。
独特なアクセントやイントネーションがあってもスムーズに会話ができるのは、お互いの「慣れ」もあるんだと思っています。(あくまで個人的意見です。それに、積極的が何より苦手なのでこの作戦はなかなか進みません。)
とは言え発音の練習もする
夫と共にこの本をバイブルにしています。
帯に書いてある「発音できない音は聞き取れない」≒「自分が聞き取れない人には、自分の発音は通じない」ということを身をもって体験したからです。そして、その人と話すことに苦手意識が増していく悪循環。
根性なしの私は、本のような毎日の厳しい練習はできません。しかし一通り読んでやってみることで、日頃からだいぶ気を付けるようになりました。すぐに忘れ、頭と舌が混乱したりしてくるので、また繰り返しやってみるという感じで使っています。
とにかく英語を口に出す勉強を
一人でもできる練習と思い、海外ドラマを何度も繰り返し見ながら登場人物のセリフを真似て発音しています。ひたすら孤独で地味な方法ですが、なんらかの刺激にはなると思ってます。
英語を習得する道は、果てしなく長く先が見えません。海外暮らしでそれに気づき、今後も末永く学習を続けていく覚悟ができました。世界のどこかで私と同じ悩みを持つ方の勇気になれば嬉しいです。