ひつじさんぽ

30代夫婦のシドニー暮らし × 留学・英語 × ワイン

憧れの帽子店でオーストラリアの老舗ブランド『アクーブラ』のハットを買いました

先日シドニーからウルルへ旅行に行きました。旅行前、旅の必須アイテムである広いつば付きのハットを探しに、シドニーシティにあるストランドアーケードの帽子屋さんに行きました。

 

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ストランドアーケードの帽子屋さん『ストランドハッターズ』へ

ウルルに行くのに帽子が無いと言い出す夫。コンパクトにたためる手頃なサファリハットなどをおすすめしたのに、どうしても欲しい帽子があると連れて行かれたのが『ストランドハッターズ』でした。

その帽子屋さんがあるストランドアーケードは、ハリーポッターの世界みたいに可愛らしいレトロな建物。アーケードなので屋根はあるけれど、お店の窓や看板がダイアゴン横丁みたいです。

 

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小さな店舗ながら重厚でクラシカルな雰囲気満点な帽子屋さん。果たしてこんなお洒落なお店で似合う帽子は見つけられるのでしょうか。

 

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AKUBRA(アクーブラ)の素敵なハット

様々なブランドの帽子が置かれていますが、一番種類が多く一番高級なのがアクーブラでした。フェルト素材の物は200ドル以上。「インディー・ジョーンズでもないのに、こんな帽子どうするの!」と言ってもどうしても引かない夫に根負けし、一つ買うことにしました。

せっかくだからと私も試着してみると、驚くほど軽い!見た目は少々ゴツそうにも見えるのに、ふわりとしています。色々試しているうちに、平たい顔した私でもなかなか似合ってきているような気がして、かなり乗り気になってきました。

帽子は全てユニセックスで、サイズは53~63まで1センチ刻みで造られています。子ども用はないけれど、一番小さいサイズなら合うかも、と店員さんにかぶせてもらっている子もいました。

 

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たくさんの種類の中からお気に入りを一つ見つけ、店員さんにサイズを合わせてもらい無事に購入。買った帽子は「LEISURE TIME 余暇」という名前の付いた比較的カジュアルなタイプです。「ここで帽子買ってみたかったんだ~」と上機嫌な夫。

日曜日のこの日はひっきりになしにお客さんが来ていて、皆出ていく時には頭に帽子がのっているという魔法のようなお店でした。

 

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AKUBRAについて調べてみた

それにしても高い帽子だなぁと思い家に帰ってアクーブラについて調べてみたら、豪州伝統のものづくりと家族経営の永い歴史を知ることができて少し感動しています。

 

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アクーブラ社の歴史

アクーブラ社は4代に渡る老舗企業。社の歴史がウェブサイトに載っていたので、ざっくりとまとめてみました。

アクーブラ社の始まりは1874年。イギリスからタスマニアに到着したベンジャミン・ダンカリー氏が、ホバートで帽子製造業を始めることにしました。彼は機械を発明する能力に長けていて、ウサギの毛皮から毛先を取り除く機械を開発し、フェルトハットに使用できるようにしたそうです。(ウサギは増えすぎて害獣扱いだったとか。)

1900年代初め、ダンカリー氏はビジネスをシドニー郊外のサリーヒルズに移し、小さな帽子工場を設立しました。1904年には、イギリスで帽子作りの経験を積んだ貴重な人材であったスティーブン・キール1世がダンカリー社に入社。1905年、キール1世はベンジャミンの娘であるエイダ・ダンカリーと結婚してすぐにゼネラル・マネージャーとなりました。

当時わずか19名だった従業員も1940年代には500人以上に増え、ビジネスは順調に成長していきます。1956年のメルボルン・オリンピックではオーストラリア選手団が着用したパナマ・ストロー・ハットを供給。その後のオリンピックでも何度もアクーブラ社から選手用ハットが提供されました。

1972年にはシドニーから北へ400kmのケンプシーに工場を建設し、アクーブラはこの地域の大きな雇用主となったそうです。現在会社はスティーブン・キール4世の手に渡り、今もケンプシーでオーストラリア誇りのハットが製造されています。

 

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フェルトハットの作り方

ものすごく端折って言うと、

  1. ホワホワのラビットファーを蒸気の中で円錐形・袋状の布にする
  2. その円錐型(コーン型)の布をローラーで圧縮
  3. 染色
  4. 型と熱で帽子の形にする
  5. 乾燥させてトリミング、成形をする
  6. 革のスウェットバンド、リボン、シルクの裏地などを縫い付ける
  7. 完成!

 となります。

ファーから帽子になっていく様子が動画で紹介されています。日本の伝統工芸品を紹介する番組コーナーみたいで、大変興味深く全編見ました。こんなにも手間をかけて造られた帽子だと知ると、より愛着がわいてきました。

 

⇩面白いです!見てみてください。

akubra.com.au

 

後日アクーブラのハットをかぶった旅行の様子をSNSにポストする夫。職場に行くと同僚のオーストラリア人達に「ついにAkubraのハットを手に入れたんだな!」と言われたそうで、嬉しそうにしていました。

 

末永く大切に使ってください。私にも時々貸してください!