ひつじさんぽ

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フィリップ・ショー ドリーマー ヴィオニエ 2021*ピュア度No.1ワイン【ワイン日記】

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オーストラリア・ニューサウスウェールズ州オレンジの2021年産ワインを飲みました。2021年は半分終わったところですが、このワインはなんと既にout of stockです。どれだけ生産本数が少ないのかどれだけ人気なのか分からないまま、何の気なしに2本買った自分に拍手。

Philip Shaw The Dreamer Viognier 2021

かわいいエチケットデザインにほっこりしながら開栓して注いだワインは「え?みず?」と思わず言ってしまったくらい淡色。愛読書のワインフォリーを開いて色を見比べると、一番淡い色合いのpale strawより一段薄く感じました。

白桃やアプリコットの香り。溢れる果汁感全開の香りで、飲む前からマウスウォータリングです。口に含むと、まさに桃のジュース。ネクターじゃなくて桃の天然水の方です。ヴィオニエらしいアロマティックさはあるけれど、まろっとした濃密さは皆無で、ふんわり軽やか。

「なんかワイン水って感じだね」とか訳分からないことを口走り、水っぽいって失礼だよなと思いながらも、水っぽいのではなくこれは究極のみずみずしさなのだと感じました。今まで飲んだワインの中でピュア度No.1でした。

 

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収穫や醸造についてのノートによると、酸度が高くとアルコールの低いワインにするためブドウは早めに収穫。アロマティックな香りとフレッシュさをキープするため低めの14~16度で発酵を行い、残糖7g/lで発酵をストップした後ごく短期間の熟成を経てリリース、とのこと。

2020年11月にフィリップ・ショーを訪問した時にはまだ赤ちゃんブドウだったのに、一年も経たないうちにブドウはワインになり、今私の手元にあることが感慨深いです。

 

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さて、フィリップ・ショーはオーストラリア・ニューサウスウェールズ州のオレンジの生産者で、オレンジを訪問した印象からすると産地の中で一番大きく影響力のあるワイナリーでした。実際シドニーの高級ホテルやレストランでも、オレンジのワインと言えばフィリップ・ショーがオンリストされているのをよく見ます。

そんな大きなワイナリーですが、最初の始まりは当時12歳だったフィリップさんが学校の遠足でローズワーシー(おそらく農業大学のこと)を訪れた後、レモネードのボトル、レーズン、水とパン酵母を使ってワインを作ったことだという話を読み、心が震えています。14歳になるとペンフォールズでボトル洗いを始めたそうです。1969年にローズワーシー農業大学を卒業した後は、様々な豪有名ワイナリー(リンデマンズ、ウィンズ、ローズマウント等)で醸造を担当。(かなり端折るけれど、凄い経歴です。)そして1989年にオレンジのブドウ畑に47ヘクタールのブドウ樹を植え、2004年にフィリップ・ショーとして最初のワインを生産しました。2015年にはフィリップ・ショー・ワインズを息子たちに引き継いだ後にオレンジでHOOSEGGという小さなワイナリー設立。今こそ本当に自分がやりたかったことをやる、という素敵すぎる人生を歩まれている御年74歳のフィリップさんです。

 

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今回飲んだヴィオニエはDreamerという名前がついており、フィリップ・ショーの醸造家たちに夢を与え続け、創造することを常に思い出させてくれる存在なのだそうです。レモネードのボトルでワインを造ってみた幼いフィリップさんの夢や希望が引き継がれていくかのようなあたたかなワイン。

毎年このワインが飲みたい!と強く思うものの、あまりに早い完売のお知らせに驚いています。残りの一本はしばし大事に眺めてから開けようと思います。

 

ロックダウン中のシドニー。来週からオーストラリアワインのオンラインコースを受講してみることにしました。 

The Sydney Wine Academy Mastering Australian Wine Online