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オーストラリア ニューサウスウェールズ州のワイン産地『オレンジ』へのショートトリップ【旅の予習編】

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オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のワイン産地「オレンジ」に小旅行に行きました。

数年前にワインの教科書で見て「ワイン産地なのにオレンジって言うのか~」と思っていた場所です。まさか訪問できるなんて当時は想像もしていなかったので大興奮。

オレンジという産地について旅の前に予習をしたことをまとめ、旅から戻った感想も追記しました。これからオレンジを旅するどなたかのお役に立てれば幸いです。

 

 

オレンジの地理・気候

 

 

ニューサウスウェールズ州中東部に位置する都市。シドニーから254kmの距離です。

電車だと4時間半と少し、車だと3時間半ほど、オレンジ空港があり空路での訪問も可。

年間の平均最高気温約18℃、平均最低気温約6℃。昼夜の寒暖差が15℃以上の日もあります。

シドニーよりも気温が3~5度ほど低く、夜はとても冷えます。11月の半ばに訪問した私たちは昼間は半袖、夜は長袖を重ね着していました。

 

マメ知識をひとつ。

オレンジは、茨城県牛久市と姉妹都市となっています。ここは私の生まれ故郷からとても近く、世界一大きい大仏様「牛久大仏」がある市です。

まさかの発見に突然沸いてきたとんでもない親近感。茨城が誇る牛久大仏の写真をおいていきます。

 

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オレンジのワインについて


Orange Wine Region

 

オレンジはオーストラリアで最も標高が高いワイン産地で、ヴィンヤードは600~1000mの高さにあります。オーストラリア国内で標高600m以上に位置するヴィンヤードは全体の1%未満だそうです。

この地理によるヨーロッパスタイルの涼しい気候が魅力の一つ。カノーボラス山の頂上からトワック渓谷の斜面まで、標高の多様性により様々な品種を生産することができます。

 

オレンジは1860年頃から、リンゴやサクランボの果樹園を中心に農業を行なってきました。ブドウ樹が初めて植えられたのは1920年代ですが、ワイン用のブドウが本格的に生産され始めたのは1980年代。ワインの産地としてGI(Geographic Indications)に制定されたのが1996年、初めてワイン・ショーが開催されたのが2002年です。

まだまだ新しい産地でありハンターヴァレーなどに比べると知名度も低いですが、だからこそブティックワイナリーのアットホームな雰囲気を楽しめるかな、と思っています。

 

オレンジで栽培されているブドウ

標高の高さと冷涼な気候を味方に、豊富なブドウ品種をうまく栽培しています。

  • シラーズ(245ヘクタール)
  • シャルドネ(211ヘクタール)
  • カベルネ・ソーヴィニヨン(186ヘクタール)

以上の3種で総面積1142ヘクタールの半分以上を占めていて、これはオーストラリアにおけるブドウ栽培の組み合わせ、消費者の需要とマッチしているそう。メルローとソーヴィニヨン・ブランがそれぞれ120ヘクタールと少し、そしてピノ・ノワールとピノ・グリが続きます。

 

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品種の幅がとても広いのが特徴。

以下がオレンジで栽培されているブドウ品種です。

  • 低い標高にあるヴィンヤードは、シラーズ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンを前面に出した伝統的な品種が多い傾向。
  • カノーボラス山の斜面にある北向きの場所は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、リースリングに最適。
  • ピノ・グリは、青々としたフレンチスタイルとしなやかなイタリアンスタイルの両方で作られ「ピノグリージョ」とラベル付けされている。
  • オレンジの東(ブレイニーシャイア)は涼しく、スパークリングワイン用の優れたシャルドネとピノノワールを栽培。
  • プロセッコは新入り品種ながら急速に増加中。
  • ヴィオニエはオレンジの気候に適しており、シラーズとのブレンドでフランスのコート・デュ・ローヌスタイルのワインも生産されている。
  • 気まぐれピノ・ノワールにもオレンジの生産者たちは上手く向き合い、ダークフルーツ系の複雑な味わいに仕上げる。
  • イタリア系品種はサンジョヴェーゼ、バルベーラ、ネッビオーロ、アリアニコ、モンテプルチアーノなど何でもあり。
  • スペイン料理が人気で、リオハと同じ大陸性気候のオレンジは、テンプラニーリョも当然栽培されている。

初期の開拓者たちがワイン造りを始める時に、個人的な好みで決めた場合もあれば、当時流行していたブドウを取り入れた場合もあり、試行錯誤の末にフルレンジなブドウ栽培になったというようなことも書かれていました。

一つの産地でなんでも飲める、これは面白いことになりそうです。

 

オレンジのワイナリー

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オレンジには30ほどのワイナリーがあり、そのほとんどがティスティングや見学のために開放されています。テイスティングは一人10ドル前後。各ワイナリーのウェブサイトから予約が必要です。

ほとんどのセラードアの稼働時間は10時~16時なので、一日で回れる数は4つほどかと思います。私たちは、到着日3軒、中日4軒、最終日2軒の計9軒訪問。

ワイナリーツアーもありますが、以前ハンターヴァレーとヤラヴァレーのワイナリーツアーに参加した経験から、今回は自分の行きたいところをじっくり見学したいと思いレンタカーを手配しました。

夫作成の手書きの工程表も公開。行きたいところをピックアップした後、うまく回れるように地図とにらめっこしながら組み立ててテイスティングの予約を入れてくれました。

 

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そしてワイナリー巡りをするにあたりおすすめが二つあります。

 

一つめはランチをするために市内に戻る時間を確保することです。私たちは二日目に4軒のワイナリーを訪問し、どこかでサクッとランチでもと思っていたのですが、ワイナリーの近くにカフェも見つからず市内に戻るには時間も足りず、持っていたスナックをつまむという寂しい結果になりました。

ピクニックハンパ―を用意しているワイナリーもいくつかあるので、そういったワイナリーをお昼時に組み込むのも良いかもしれません。

 

二つめは車を運転する人、お酒に弱い人は口に含んだワインを吐き出すための「マイ吐器」を用意することです。各ワイナリーにもありますが大きなバケツだったりするため、紙コップ等を持っていき一旦そこに吐き出すようにするとスムーズです。

ちなみに私はガブガブ飲み込みました。

 

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オレンジへの行き方

シドニーからは、

  • 車で3時間半
  • 飛行機でひとっとび
  • 電車で4時間半(セントラル駅発~オレンジ駅着)

の方法があります。

私たちは長距離ドライブが不安だったため電車旅を選び、こちらから事前に予約しました。 

transportnsw.info

 

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実際に乗ってみましたが、長距離列車はとても快適です。日本の特急列車のようで広々と清潔、乗務員さんも親切でした。食堂車もあり食べ物や飲み物を買う事もできます。ホットミールは乗務員さんが事前オーダーを取っていました。

現在コロナ対策で2列シートに1人ずつ席が割り当てられますが、駅員さんのチケット確認後は同グループならば隣に移動してもOKのようです。 

ブルーとグリーンが続く大自然の車窓を楽しみつつ、昼寝をしたり読書をしたり、私には心地のよい4時間半でした。

 

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オレンジ到着後は公共交通機関でのワイナリー巡りは難しいためレンタカーを借りました。しかしそもそもレンタカー店は2つしかなく、曜日によっては一時間しか開店していない日もあり、フレキシブルとは言えません。

電車の本数も少ないので車での訪問が一番だとは思います。

 

オレンジでの滞在

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オレンジはワイナリーに滞在できる素敵な宿がたくさんあります。

その中からナッシュデールレーンというワイナリーのグランピングキャビンを予約しました。すぐ隣がブドウ畑の最高立地です。

ブドウ畑と夕日を眺めながらのんびりとバーベキュー、夜は星空観賞会、そしてワインは隣のセラードアからお好きなものを、という夢のようなステイ。

 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

   

こちらのOrange360という充実したウェブサイトで、宿・レストラン探し、ワイナリー地図など様々な情報が得られます。訪問前には隈なくチェックすることをおすすめします。 

 

www.orange360.com.au

 

私たちのワイナリー訪問記もぜひ読んでください! 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

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最高の旅でした!ワイン好きさんには本当におすすめしたい場所です!

 

プラスチックフリーなクレンジングアイテムを使ってみました!

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レスプラスチック・レスウェイスト作戦バスルーム編です。

固形シャンプーに続き、プラスチックフリーなクレンジングアイテムを探しています。ザ・ボディー・ショップのアルミ缶入りバームタイプとラッシュの包装なし固形タイプを使ってみました。

 

hitsuji-cozy.hatenablog.com

ザ・ボディー・ショップ サンプチュアス クレンジングバター CA

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アルミ缶入りのクレンジングバター。

パッケージうんぬんの前に、使い心地にうっとりしました。指ですくって顔全体に馴染ませると、バームがとろけてスルスルとメイクが落ちていきます。

ダブル洗顔推奨なので、クレンジング剤をお湯で流したあと石鹸で洗っていました。毛穴の汚れもしっかり取れた感覚があり、お肌つるつるモチモチ。

ボディーショップは人工的な香りが強くて色も濃くて…というイメージだったのですが、このクレンジングバターで覆りました。

 

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ただ、問題点がひとつ。プラスチックフリーではあるけれど、化粧品類の缶はリサイクルされないことが多い、という点を懸念しています。様々な自治体のゴミの分別事情を見ていくと、食品・飲料缶以外の缶は燃えないゴミとなることがほとんどでした。

使い心地が素晴らしくプラスチック容器でない点はクリアできるけれど、ゴミを出すことにはなってしまうかもしれません。

 

⇩税込2,420円 / 25AUD *2か月程使えました

 

ラッシュ スリーピーフェイス ソリッドクレンジング

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こちらは包装なし、はだか売りのアイテムです。初めてで勝手が分からずお店の人に聞くと、近くにあった紙の小袋にトングを使って入れてくれました。(私が購入したのはシドニーのお店です。)次回は紙袋もお断りして、ハンカチか何かに包んで持って帰ろうと思っています。

 

固形クレンジングを手に持ち、体温で溶かして使います。顔の中で温度の高いおでこに数秒あてると溶けてくるので、そのまま顔全体に滑らせるのがおすすめ。

クレンジング剤が行き渡ったら手でマッサージをしながらメイクを落とし、最後は拭き取ります。今はティッシュペーパーで拭き取っていますが、洗って繰り返し使えるコットンを取り入れてみようかと考えています。

お湯で流せるタイプよりは手間がかかるけれど、プラごみも缶ごみも出ないのはとても理想的。先に使ったボディショップのクレンジングバーム缶で保管しています。

 

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メイク落ちは問題なく、肌の調子は可もなく不可もない感じですが、減りが意外と早いかも⁉もう少し使って様子を見てみたいのと、ラッシュには他にも包装なしの固形クレンジングがあるので使い比べてみたいと思いました。

 

⇩税込1,500円 / 16.95AUD *1.5か月くらい使えるかな

jn.lush.com

 

今回はパッケージに焦点を当てたため、使用成分については大まかに見ました。両アイテムとも100%自然素材ではないものの安全性の高い成分のようです。

 

また、クレンジングアイテム探しと同時に、クレンジングしなくても良いメイクアイテムも合わせて探っています。 

 

何かおすすめがあったらぜひ教えてください!

 

おわりに

生きていく以上ゴミを出さずにいることは不可能。ゼロウェイストやプラスチックフリーを意識すればするほど難しさや矛盾に悩むこともあります。

 

できることから少しずつ進めていこう!

 

家族とも協力しながら、意思をもって商品を選んでいきたいと考えています。

お読みいただきありがとうございます。

 

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タービルク ヴィオニエ 2019*美味しいヴィオニエにありつけた3日目の幸せ【ワイン日記】

ヴィオニエがどうしても飲みたくなったある日の話。

朝食を食べながらtwitterを見ていると、お気に入りのワインアカウントがヴィオニエの話題を出していました。

家を出ていつも通勤時に聴くポッドキャストを開くと、テーマがヴィオニエ。

その夜勤務先のレストランでは、美食家風のおしゃれなお姉さんが仕切る4人組の席で、

「Guys! 今夜はピノ・グリ?ヴィオニエ?どっち?」

「ヴィオニエ!」(即答で満場一致。)

と、普段は月に一本選ばれれば万歳なヴィオニエが満を持して旅立ちました。

こんな一日を過ごし私の頭と舌はヴィオニエ一色に。これがカラーバス効果というものなのかと考えながら、オーストラリア産ヴィオニエを探しにワインショップへ出かけて行きました。

多くはないラインナップでしたが、素晴らしいヴィオニエを見つけることができましたよ。

 

Tahbilk Viognier 2019 

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産地 ヴィクトリア州
品種 ヴィオニエ
生産年 2019
タイプ アロマティックで力強い
価格 23AUD

 

開けたては、オイリーな香りを一番強く感じました。果実の香りもするけれど、何か膜で覆われているような突き抜けない印象。口に含むと、やっぱりオイリーさを感じます。

南フランスの白ワインを思わせるマロマロっとした味わいと感触です。舌触りも少しトロリとし、グラスをつたうワインを見て、粘性がとても高いことも分かりました。

このまろやかさも良いけれど、予想していたのと違ったので、この日は深追いせずに冷蔵庫で寝てもらいました。

私の勤務先に置いているヴィオニエは、開けたてからトロピカルフルーツみたいなアロマティックな味わいが特徴的だったので、それを期待していたのです。

 

翌日もう一杯飲んでみると、「おや、もしやこれは…」と思い、試しにもう一日寝てもらったら完全に脱皮しました。初日には閉じこもっていた香りや果実感がはっきりと現れ、甘美な白ワインに。

甘酸っぱくて香り高いフレッシュのアプリコットや、丁寧に造られた梅ジャムを思い出させる味。品のある果実味とのびのびとした酸が、舌の隅々まで染み渡るようにとっても美味しいんです。

やっと会えたね、という満たされた気持ちで3日目で飲み干しました。

 

ヴィオニエという品種について

winefolly.com

 

ヴィオニエを飲む上で欠かせない産地は、フランスのコート・デュ・ローヌ。

コンドリューやシャトー・グリエというワインが有名ですが、どれもファンシーなワインなので、飲む機会はなかなか訪れません。

その他にもオーストラリアやアメリカ、南アフリカなどの温暖な地域で造られていて、それらのヴィオニエは比較的カジュアルに楽しめるものが多いです。

 

オーストラリアでのヴィオニエの立ち位置はどんなものかと、現地ワインサイトをいくつか回ってみました。

  • シラーズとブレンドするコート・デュ・ローヌスタイルで造る生産者が多い。
  • 一大産地は南オーストラリア州のバロッサ。1980年代に初めてヴィオニエが植えられた。ヤルンバのヴィオニエがオーストラリアヴィオニエの先駆的存在。
  • 新注目産地はオーストラリアの首都キャンベラ。クロナキラのヴィオニエがスーパースター。
  • 近所のワインショップでは南仏のヴィオニエしかなく、2軒目では1本だけ見つけたので、まだまだ市民権は得ていないような気もする。(私調べ)
  • 来週訪問予定のニューサウスウェールズ州オレンジというワインリージョンでもヴィオニエが多く生産されているようなので、たくさん飲んで来ようと思う。(調査予定)

 

移民が多いシドニーはアジア料理・エスニック料理店が立ち並び、アロマティックなヴィオニエに合いそうな料理がたくさんあります。昨日チキンのタコスを食べたら唐辛子マーク一つなのに激辛で、3日目のヴィオニエワインを心底欲しました。

ヒリつく舌に、ひんやりトロリと染みていく甘やかなヴィオニエ、絶対合うはず。オーストラリアで、もっと人気が出ても良さそうなブドウ品種だと思ってます。

 

生産者TAHBILKについて

www.tahbilk.com.au

 

ヴィクトリア州で1860年設立のタービルク。5世代続くワイナリーで、5代目が私と同じ生まれ年の素敵な女性だったので勝手に親近感。

2012年からカーボンニュートラル認定(※)を受けているワイナリーでもあります。

※生産における二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になること

 

ブドウ品種や環境について幅広く書かれたワイナリー運営ブログは、読み応えがあってとても面白い内容です。

Tahbilk Insiders Guide | The best of Tahbilk Winery

 

そしてこのワイナリー紹介ムービーが美しく、飛んでいきたくなりました。ぜひご覧ください。

 


Family Winemaking Heritage

 

タービルクはマルサンヌの評価も高く、コート・デュ・ローヌに思い入れのあるワイナリーなのだろうなぁと思います。

 

マルサンヌも飲んでみる!

 

無事に美味しいヴィオニエに巡り会えて幸せです。

お読みいただきありがとうございます。

 

チェンバース ローズウッド ヴィンヤーズ ラザグレン マスカット*オーストラリアでしか作られない特別な甘口ワイン【ワイン日記】

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ワインの教科書でしか見たことのなかった、オーストラリアの甘口ワイン「ラザグレン・マスカット」を飲みました。歴史ある産地、ヴィクトリア州のラザグレンでのみ生産される酒精強化ワイン(※)です。

ラザグレンという産地について勉強しましたので、まとめてみます。

※発酵途中の糖度を残した状態でアルコールを添加し発酵を止めるため、甘みがありつつアルコール度数が高いワイン(甘さを残さない辛口タイプも有)

 

Chambers Rosewood Vinyards Rutherglen Muscat 

まずは飲んでみました。

瓶口から出てきたワインがとろりとしていて、かなり濃密であることを伺わせます。鼻を近づけると、ぐわっと強いアルコール感。干しブドウとオレンジの豊かな香りがします。シェリーのような熟成香(おそらくランシオ香というやつ)、カラメルのような香ばしさ、そして不思議なくらいオレンジの香りに支配されていました。

口に含むと、まったりとした重さが舌に乗っかります。オレンジピールのチョコレートがけを思わせる味。そして後味にコーヒーのようなほろ苦さと、想像していた以上に酸をしっかり感じました。

表現がオレンジしかなくてすみません、原料はマスカットです。

 

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購入時お店のお兄さんに、「甘口のシェリーやポートワインよりは軽やか」と言われましたが、口に含んだ時のこってり感と香りや味わいの複雑さは、私の甘口ワイン歴の中では類を見ない感じがしました。

なんだかオーストラリアワインのイメージとは違うクラシックな印象。

 

そんな感じでお気に入りとなったラザグレン・マスカット、毎晩少しずついただいています。750mlで26ドル、アルコール度数も糖度も高く持ちが良いので、長く楽しめて経済的。

私は、美味しい甘口ワインを飲んだ時「大人になってよかった」と心底思います。

 

ラザグレンについて

ヴィクトリア州のマレー川沿い、ニューサウスウェールズ州との州境にある産地です。

 

 

ラザグレンの歴史

ラザグレンのワイン造りの歴史は1850年代まで遡ります。1850年代後半にいくつかのワイナリーが設立され、ブドウ栽培がスタート。1880年代には大きな発展を遂げ、オーストラリアワイン全体の3分の1の生産量を占めていたそう。

その後、フィロキセラの襲来や甘口ワイン離れなどの困難を乗り越え、現在19の生産者がWinemakers of Rutherglenという団体を構成し、ラザグレンワインの発展に尽くしています。もちろんこの19の生産者には1850年代から続くワイナリーも含まれています。

 

このWinemakers of Rutherglenのウェブサイトがとても素敵。ラザグレンの伝統を守り、次世代へ向けて盛り上げようという様子がひしひしと伝わってきます。

他国には女王のような甘口ワインが君臨しているし、知名度の高い産地とは言い難いけれど、歴史あるラザグレン・マスカットを応援したい気持ちでいっぱいになりました。

 

www.winemakers.com.au

 

ラザグレンで栽培されるマスカットと醸造方法

マスカットにはなんと200種類もの品種があります。ラザグレン・マスカットに使われているのは、高品質なミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュ(赤い実の小さいマスカット)という一種類のみ。地元の生産者は、ラザグレン・ブラウン・マスカットと呼んでいるそうです。

 

温暖で乾燥したラザグレンの気候の中で、木につけたままブドウが完全に熟すのを待ちます。高糖度のマスカット果汁から造られた発酵途中のワインに、グレープスピリッツを添加し発酵を止め、糖分と高いアルコールを残します。その後、最短5年、最長105年もの間樽で熟成。

ラザグレン・マスカットは、ひとつの生産年のワインとして瓶詰めされることはほとんどなく、多くのヴィンテージをブレンドして造られます。ほとんどのワイナリーで、3・4・5世代に渡り受け継がれてきたワインを注ぎ足してブレンドするソレラシステムを採用しているそう。 

 

また、ラザグレン・マスカットは熟成期間や残糖分によって4種に分類されています。

  • Rutherglen Muscat → フレッシュなレーズンのアロマ、豊かな果実味、クリーンな風味。5年の熟成。残糖分は180〜240g/ℓ
  • Classic Rutherglen Muscat → 厳選された小区画のブドウをブレンドすることで、より一層の豊かさと複雑さを表現。熟成期間は6~10年。残糖は200~280g/ℓ
  • Grand Rutherglen Muscat → より長い熟成期間による、味わいの奥深さ、濃密さ、成熟感。熟成期間は11~19年。残糖は270〜400g/ℓ
  • Rare Rutherglen Muscat → その名の通り、最高峰の希少なラザグレン・マスカット。最も完成度の高いワインのみを厳選してブレンド。レア・ラザグレン・マスカットは毎年ごく少量のみ生産。息をのむほど素晴らしく豊かな風味を楽しめる。最低熟成期間20年。残糖は270〜400g/ℓ

 

今回私が飲んだのは、熟成期間も5年程、糖度も一番低いタイプ。それでも濃密さや複雑味をしっかり感じたので、もっと熟成が進み糖度が高かったらどんなことになっているのか本当に飲んでみたい!

でも、レア・ラザグレン・マスカットはハーフボトル(375ml)で250ドルという、超高級品。

 

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生産者チェンバース・ローズウッドについて

chambersrosewood.com.au

 

チェンバース・ローズウッド・ヴィンヤードは1858年設立、6世代に渡る家族経営のワイナリーです。国際的にも高い評価を受けた偉大なワイナリーですが、気取った様子がなく、どこまでもアットホームなところが魅力なんだとか。

チェンバース・ローズウッドのラザグレン・マスカットは日本にも輸出されています。

 

 

バニラアイスクリームにかけてみた

ワインショップのお兄さんが「アイスクリームにかけると美味しいぜ!」と言っていたのでやってみました。わぉ、最高に美味い。

あまりの美味しさにドボドボ注ぎ足すと、酸味が強く感じられてバランスが悪くなってしまいました。欲張らずに少しずつかけるのがおすすめです。いつものバニラアイスが一味深みを増し、美味しい大人のデザートになりました。

また、ワインメーカーズ・オブ・ラザグレンは様々なマスカット・カクテルをおすすめしています。⇒Winemakers of Rutherglen | Muscat Cocktails

特に20年以上熟成のレア・ラザグレン・マスカットを使ったアフォガードは写真見ただけでヨダレが出そうでした。

 

おわりに

オーストラリアは、ファンキーだったりファッショナブルなワインも多く、つい数年前に設立され既に知名度の高いワイナリーもたくさんあります。そんな中でこれだけ歴史や決まり事のあるワインはめずらしいなぁと思うと同時に、代々受け継がれるこのワインにあたたかさを感じました。

伝統あるラザグレンに敬意を払い、今日もまたラザグレン・マスカットをいただきます。

 

美味しいワインをありがとうございます。 

 

ジャカランダのトンネル!シドニーのミルソンパークでお花見をしよう

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オーストラリアの初夏に咲く、鮮やかな紫色が美しいジャカランダ。日本の桜のように、季節を告げるお花として親しまれています。

シドニーでは10月中旬から咲き始めました。ジャカランダのトンネルが見られる、キリビリの並木道を今年も楽しみにしています。

 

ジャカランダとは?

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ジャカランダはオーストラリアのお花として有名ですが、原産は南米だそうです。鳳凰木(ホウオウボク)、火炎木(カエンボク)と並び、紫雲木(シウンボク)という和名をもつジャカランダが、世界三大花木とされています。

花言葉が「栄光」「名誉」。気高くて格好いい!

 

参考:ジャカランダの花言葉|種類、特徴、色別の花言葉 | LOVEGREEN(ラブグリーン)

 

「ジャカランダのトンネル」の場所

キリビリのミルソンパーク前の並木道が、シドニーで有名なジャカランダの名所です。

 

 

ミルソンパークへの行き方

ミルソンズポイント駅で下車、改札を出て左に行きます。駅構内を出たら、右へ。

 

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数件のカフェを通り過ぎ、Woolworth Metroの前の交差点を渡ります。

 

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足元のジャカランダマークを見ながら歩くこと3分ほど。

 

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コンビニが見えたらそこを右に曲がると…

 

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ジャカランダのトンネル

この道の左側がミルソンパークです。

 

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この写真を撮影したのは2019年11月15日です。シドニーの開花時期は10月中旬から11月中旬なので、終わりに近かったかもしれません。

(2020年10月20日訪問時は3分咲き位でした。)

 

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足元は花びらが落ちて紫の絨毯に。

 

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ジャカランダはこのような可愛い形をしています。

 

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ミルソンパーク近くのカフェ「フライング・ベア」

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ミルソンパークの横にあるThe Flying Bearは、ハンバーガーやフィッシュ&チップスなど、オーストラリアらしいカフェごはんが楽しめる人気のカフェです。

[公式HP] bird&bear

 

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ここのテラス席がお気に入り。

 

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キリビリは、この並木道だけでなく近辺の至る所でジャカランダが見られます。また、古き良き素敵な民家が多く、窓のステンドグラスや可愛らしいポスト、おしゃれな鉄格子などを見て歩くのも楽しいですよ。

 

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この周辺のお散歩コースの記事もありますので、良かったら見てください。

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シャンパーニュ ヴーヴ モンシニー ブリュット セレクション*ALDIで22.99ドルのシャンパンを買いました【ワイン日記】

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シャンパーニュはどうして高いと思いますか?」

十数年前のある日、入社数か月のひよっこな私にシェフソムリエの先輩が聞いてきました。当時ワインの知識がゼロだった私は、何を思ったか「うーん、シャンパンはシャンパンだから…?なんか一番派手だし…」というようなことをゴニョゴニョ答えました。分からないなりに、数あるワインボトルの中でシャンパーニュが一番高貴に見えたのです。

今ならばどういう手間がかかっているだとかそれらしい理由も言えますが、改めて考えてみて、私の答えはあながち間違っていなかったのではないかとも思っています。私にとってシャンパーニュは思い切ってお金を出す価値のある特別なお酒。

それなのにオーストラリアで22.99ドル、日本円換算で約1,730円のシャンパーニュ「ヴーヴ・モンシニー」を見つけたのが今回のお話。

 

シャンパーニュの価格相場

まず、オーストラリアで買える有名シャンパーニュの価格をいくつか挙げてみます。

全て、スタンダードキュヴェです。

※1AUD=75円で計算。

※参考:https://www.danmurphys.com.au/champagne-sparkling/champagne

 

  • モエ・エ・シャンドン 55.95ドル(約4,200円)
  • ヴーヴ・クリコ 66.50ドル(約4,980円)
  • テタンジェ 61.70ドル(約4,630円)
  • マム 48.95ドル(約3,680円)
  • ボランジェ 78.99ドル(約5,930円)

 

今回飲んだヴーヴ・モンシニーの2~3倍ですが、シャンパーニュと言えばこのくらいの価格。

22.99ドルって疑わしいほど安い。

  

Champagne Veuve Monsigny Brut Selectionについて

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ヴーヴ・モンシニーは、オーストラリアのディスカウントスーパーALDIで買えます。ALDI公式ページには、ほとんど情報がないため自分で調べ始めたけれど、結局分かったことは少しだけ。

 

  • ヴーヴ・モンシニーは、エペルネのLeon Launoisで造られている
  • イギリスのALDIでも販売されており、こちらはPhilizot et Filsで造られ、価格は12.99ポンド(約1785円)
  • オーストラリアでは2019年6月のある記事で、モエ・エ・シャンドンを超えるとの評価

 

7news.com.au

 

さらにこの記事には、

  • ALDIが一日3,400本以上のペースでヴーヴ・モンシニーを販売している
  • 5つのワインコンペティションで賞を受賞している
  • イギリスではローラン・ペリエよりも高評価である

などが書かれていました。

 

ヴーヴ・モンシニーを飲んでみました

実は、シャンパーニュを飲むのが半年ぶりになりそうだったんです。フランスワイン飲む暇ないくらいオーストラリアワインが面白く、シャンパーニュの味を忘れてたらどうしようと不安になってました。

しかし、ラッキーなことにヴーヴ・モンシニーを飲む3日前、シャルル・エドシックを飲む機会に恵まれました。こんがり焼いたブリオッシュそのもの、濃い味シャンパーニュ代表のシャルル・エドシック。ヴーヴ・モンシニーの前日には、グラニースミスをガブリとしたみたいなシャキシャキの豪プロセッコ15ドルを一気し、比較するコンディションはバッチリ。

ヴーヴ・モンシニーを飲んだ最初の一言は「うん、普通に美味しい。」でした。普通に〇〇って言葉好きでないんですが、普通で安心したんです。ちゃんとシャンパーニュの味や香りがします。シャンパーニュ特有のイースト香は、そんなに強くないけれど柔らかい食パンみたいに優しく、蜜りんごみたいなぎゅっと甘くまろやかな果実味と、ほろ苦い後味。泡はすごく生き生きとし、ポコポコ踊っています。グラス1杯半ほど翌日に残しましたが、開けたての泡が元気過ぎてやっぱり翌日には疲れてしまったようで、弱くなっていました。

1本のワインとして23ドルでこのクオリティーは満足。でも、このシャンパーニュはどういう時に選べばいいんだろうと悩みます。憧れのシャンパーニュのはずなのに、どうしても「23ドルなのに」という枕詞が付きまとってしまうのです。

 

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シャンパーニュを飲むということ

シャンパーニュを飲むのは、私にとって特別なことです。いつでもよそ行きでスペシャルで、ご褒美のような存在。だから、その高揚感も含め嬉々として飲むのだと思います。そしておそらく、シャンパーニュメーカー側もそう位置づけているはず。

私が初めてワインを習った先生はシャンパーニュの専門で、シャンパーニュほど工業的に造られたワインはない、と言っていました。生産年の気候の良し悪しによってあれだけワインの出来や価格にも影響するのに、シャンパーニュはいろんな年のワインをブレンドして、そのメーカーの味をいつも同じにすることに全てを賭けている。(良い年のみに作るヴィンテージシャンパンもあります。)

そして、メゾンの格を最大限に魅せるマーケティングで世に送り出され、シャンパーニュはいつでもキラリと輝いています。このメゾンのこの味が好き、と思わせるシャンパーニュはやっぱり「ブランド品」なんだと思うのです。 

オーストラリアに来てから特に、いわゆる高級ワインにあまり興味がなくなっていました。高いから美味しいのは当たり前だけど、安くても美味しい、面白いがたくさんありすぎて。

でも、シャンパーニュだけは別格と考えてるんだな、と今回ヴーヴ・モンシニーを飲んで再認識。私はシャンパーニュを飲むと決めたら100ドル冊握りしめ、覚悟を決めてボトルショップに行きます。いつでも憧れの存在でいてほしいです。 

だからやっぱり23ドルシャンパーニュの飲みどころは難しいけれど、スーパーの買い物ついでにカゴに放り込んでも罪悪感のないシャンパーニュがあってもいいのかな。これは決して悪口ではないです。ヴーヴ・モンシニー、すごく美味しくいただきました。

オーストラリアやイギリスに住んでいる皆様、もし飲んだ方がいらっしゃったら感想を聞いてみたいです。

 

お読みいただきありがとうございます!

 

オーストラリアのローカルジョブで知った10のこと【私の海外お仕事体験記】

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2019年5月からシドニーに暮らしています。

渡豪4か月目、ホスピタリティ業界のローカルジョブに運よく採用され、2020年3月のロックダウン前まで半年ほど働きました。一時解雇を経てこの度復職したので、多国籍スタッフからなる職場のおもしろエピソードをまとめてみました。

オーストラリアのシドニーで経験した一個人、一職場のお話ですので、そんなこともあるんだ~という位に気軽に読んでいただければ幸いです。

 

 

オーストラリアのローカルジョブで知った10のこと

「英語は世界共通語」の意味

私の職場はなんと40か国以上の国籍のスタッフで成り立っています。(正式には44か国でした!)なので第二言語が英語、という人がほとんど。

仕事を始めて間もない頃、仕事前のブリーフィングをしている時にふと思ったことがあります。

「あぁ、こうして仕事が成り立っているのは、全員が英語を話せるからなんだ」と。

見事に国籍がバラバラなメンバーを前に、「英語は世界共通語」という意味が私の中で腑に落ちた感覚でした。

入社時のオリエンテーションでは、誰もが公平な情報を得られるように職場内では英語を使いましょう、というルールも伝えられました。

 

誰であろうとファーストネームで呼び合う

日本も役職ではなく名前で呼ぼうという会社が増えてきていますが、苗字+さんが一般的。私の職場では、会社トップの役職の人もファーストネームで呼びます。また、上司であろうと「mate!」「bro!」と呼んでいるのも聞きました。

年上を敬う気持ちが特段強いのは、アジア圏、特に日本と韓国。ベトナム語にも敬語のようなものがある、と言っていました。
 

雑談も仕事のうち!?

仕事の始まりはコーヒー片手に世間話から。厳しい日本の職場だと、始業よりも早く行ってその日の準備を入念に整えるべし、みたいな風潮がありますよね。

私の職場は、なんなら出社時間少し過ぎて仕事入りし、まずはコーヒーを作りながら「What's up?」みたいな。私は世間話が苦手なのでなんとも居心地が悪く、「もう、早く仕事始めようよ~!!」と思っています。

 

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人の仕事は取らない=手伝わない!?

いそがしそうな人や部署を見たら、助けてあげるが世の情けと思っているのですが、基本的に人は人、自分は自分と結構ドライ。

特に掃除やゴミ捨てなどは、専属のスタッフがいるからやらなくて良いと言われます。その人の仕事を取るんじゃないよ、という感じです。とは言え、やっぱり自分に余裕がある時は手伝います。

 

やりたくない仕事はやらなくていい!?

オーストラリアだからと言うよりは個人の問題かもしれませんが、びっくりしたお話。

私の職場では数種類の役割があり、シフトにもその日の自分の役割が明記されています。シフトが出た後に同僚から「このロールやりたくないからシフト変わって」と言われました。納得いかないので断りましたが、上司も「嫌なら誰かに変わってもらえば?」と言ったそうです。

こういうところに心底ウンザリするけれど、自分の欲望に正直に生きている証拠なのでしょうか。

 

ホリデー後は休むものと身構える

2~3週間のホリデー翌日は、sick leave(有給の病欠)で休むだろうと思っておいた方がいいみたいです。計画sick leaveとも言うそうで、何度か見聞きしました。

だったらもう少し長くホリデーを取ればいいのにと思うけれど、それはまた別物なのでしょう。

 

合言葉はshould be fine

should be fineが本当はどのくらいfineなのか確率が未だに分からないのですが、一つ確信したこと。私が「嘘でしょ!? Not fineでしょ!?」と思っても、見事にAll goodで終わることがほとんど。

例えば、私の感覚ではお客様を待たせてしまったり要求に答えられなくてソワソワと焦っている時でも、全く問題なかったということが多々あるんです。日本では厳格なお客様にピリピリすることも多いけれど、この国は基本的に優しく寛大な方ばかりです。

 

大事なのはリラックス

手持ち無沙汰が居心地悪い日本人気質の私は、あれこれ仕事を見つけては常に動いているので、「Take a rest! Just relax!」とよく言われていました。ゆとりを持って、ここぞという時に集中するタイプの人が多い気がします。

でも「効率重視」とか「ワンウェイ・スリージョブ」なんて言われて育った時代の人ですから、なかなか慣れません。

 

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褒め言葉は盛大に

日々の褒め言葉が大袈裟なほどに盛大。あまりに楽しかったので、別記事に書きました。調子に乗らないように6~7掛けくらいの気持ちで受け取っていますが、このポジティブシンキングは日本でも実践したいです。

 

hitsuji-cozy.hatenablog.com 

コミュニケーション能力が高い人が多い

日本では、一定期間のトレーニングを積んでしっかり知識を付けてからでないと仕事をさせない、みたいな風潮がありますよね。

オーストラリアでは、自国を離れて第二言語でバリバリ働く人はかなりアクティブで、新しい仕事にもどんどんトライしています。お客様相手でも、「話せば分かるさ、人間だもの」の精神で、積極的な姿勢が眩しいです。

 

チップは心置きなくいただく

日本では、「お客様からのチップは3度お断りをし、それでも引かなければいただきましょう」と教わったことがあります。そんな話を同僚にしたら、「じゃあさ、ありがとうを3回言えばいいじゃん。Thank you! Thank you!! Thank you!!!」と笑っていました。

謙虚な日本の文化も素晴らしいけれど、底抜けに明るいこの国で働く経験ができて良かったです。 

 

おわりに 

未だに英会話には苦戦しているし、コミュニケーションが上手く取れずに落ち込むことも。特に最初の頃は辛い思いもたくさんしたけれど、海外で働いたことで仕事や私生活への考え方がラフになり、心も柔軟になった気がしました。

かけがえのない経験ができたこと、すごくうれしく思っています。そして、いつも私を助けてくれる同僚達にもすごく感謝しています。

 

オーストラリアで過ごした時間、ずーっと忘れないよ!

 

お読みいただきありがとうございます!

 

 

 

『The Australian Natural Soap Company』のプラフリーなシャンプーバーを使ってみました

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プラスチックゴミを減らすことを目的に使い始めたシャンプーバー

意識して探してみると、オーストラリアでは多くの種類を見つけることができました。シャンプーバー二つ目は、The Australian Natural Soap CompanyOriginal Solid Shampoo Barを使っています。

 

一つ目に使ったShampoo With A Purposeのシャンプーバー同様、選んだ基準は、

  • 簡易包装
  • シンプル素材
  • リンスがいらない

の3点です。(結局リンスは必要となったことを、後ほど詳しく説明しています。)

 

The Australian Natural Soap Company

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オーストラリアン ナチュラル ソープ カンパニー(以下ANSC)は、2013年にメルボルンのマーケットから始まった手作り石鹸の会社です。創業者のご夫婦が市販品に含まれる硫酸塩や人工香料等にうんざりし、キッチンで石鹸を造り始めたのが始まりだそう。

ANSCは3つの理念を掲げています。

 

theaustraliannaturalsoapcompany.com.au

1. オーストラリア産原料へのこだわり

オーストラリアは高品質な天然オイルの産地であるため、使用しているオイルのほとんどはオーストラリアの農家で生産されたもの。現地で調達できない場合のみ、海外産を使用しています。

ANSCは石鹸造りの独自の製造プロセスを発展させ、今では週に何千キロもの石けんを製造。多量な生産量ながら、地元の人々を雇用し、メルボルンにある工場ですべての作業を行っているそうです。

 

2. プラスチックフリー

石鹸のパッケージには、リサイクル可能な段ボールと紙のみを使用。お客様にも最小限の梱包を勧めています。もちろん石鹸は完全な天然成分のため、生分解性があります。

 

3. パームオイルフリー、動物愛護

ANSCは動物実験を一切しないクルエルティフリー。ビーガンでもあり、蜜蝋や乳製品も使っていません。100%パームオイルフリー。

また、売上の3%を動物保護のために活動している様々なNGOに寄付しているそうです。

※パーム油の問題点についてはこちら⇒パーム油が大問題に!環境への影響と私たちができること全て | ライフハッカー[日本版]

 

人の健康にも、環境にも、動物にも優しい石鹸。これを知って、ますます使い続けたくなりました。

 

ANSCのシャンプーバーを実際に使ってみました

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香りは?

薬草の香り。甘い香りは一切ありませんが、シャキッとして私は好きです。乾くとほとんど残りません。

 

使用感は?

まさに「石鹸で髪を洗っている」感覚です。泡立ちは大変良好。お湯で流す際にキシっとガシっとしますが、私はこのサッパリ感結構好きなんです。

包装箱には「naturally conditions」の記載があったので、コンディショニング不要の意味かと思ったのですが、思わずバスルームから「お酢取って~!」と叫びそうになりました。

 

洗髪用に作られたシャンプーバーではなく、固形石鹸で髪を洗う場合には、アルカリ性に傾いた髪を酸性に戻すためにお酢やクエン酸でリンスをする必要があります。

固形石鹸での洗髪に興味のある方はこちらをお読みください⇒石鹸はプラスチックフリー生活の強い味方【石鹸シャンプー体験記】

 

使用初日は、まずは試してみようと思いリンスをすることなく、タオルドライのあとアルガンオイルを少しつけてドライヤー。乾くとサラサラにまとまりましたが、慣れない人は難しいかも、と思いました。

 

成分は?

公式ウェブサイトには原料として以下のように記載されています。

saponified coconut oil 

saponified sweet almond oil

saponified grapeseed oil

saponified olive oil

petitgrain oil 

patchouli oil

mandarin oil

引用:Original Solid Shampoo Bar | The Australian Natural Soap Company

 

saponifiedは日本語に訳すと鹸化となります。鹸化とは、油脂をアルカリで加水分解する石鹸を造るための化学反応のこと。

ANSCのシャンプーバーはシャンプー成分を固形に固めたものではなく、限りなく石鹸に近いようです。洗髪時の髪のギシッと感も納得がいきます。

参考:石鹸の製造方法(1) 鹸化法と中和法 - 石鹸百科

 

成分のことを知ってからは、リン酢をするようにし、その後は髪を流した後のきしみも抑えられています。

また、専用のコンディショナーも販売されていました。酸性リンスやコンディショナーバーを併用すれば快適に使えるでしょう。

 

theaustraliannaturalsoapcompany.com.au

 

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おわりに

当初求めていたリンス不要には難しいシャンプーバーでしたが、ANSCの理念にすごく共感しているので、これから他の石鹸も使ってみたいと思っています。

例えばこちら、お掃除やお洗濯に使える石鹸フレークは、切り落とした石鹸の端も無駄にしない精神から造られています。素敵です!!

 

theaustraliannaturalsoapcompany.com.au

 

ANSCはオーガニックスーパーでよく見かけます。ぜひ使ってみてください!

 

⇩シャンプーバー初めての方はこちらがおすすめです

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

⇩コンディショナー不要のシャンプーバーとしてかなり優秀!

hitsuji-cozy.hatenablog.com

 

⇩ケミカルシャンプーからシャンプーバーや石鹸シャンプーに切り替えたい方は読んでみてください 

hitsuji-cozy.hatenablog.com